アスペルガーの「当事者」は、認識の違いから、トラブルが多くなります。コミュニケーションの基本である会話で、意思の疎通がはかれないために起こるケースが多いです。
けれど、それを何度も繰り返す理由は、「トラブルの原因が複雑で、違うケースだと対応ができない」というものも多いですが、実は、「当事者」が「相手がなんとなく怒っているのは、わかるけれど、さらに怒らせるのが怖いから、とても、聞けない」というのが多いらしい。自分のトラブルの原因を怖くて確かめられないようです。でも、これを続けたら、いつまで経っても、同じトラブルを繰り返してしまいます。子供のうちに、療育を受けられる環境なら、色々なことを教えてもらえるそうですが、大人になってから発覚すると、教えてくれる人は少ない。親切な人が教えてくれても、アスペルガー向けの注意でも、指導でもないため、わからないそうです。なぜなら、分量が多い。指示の量が多すぎて、ついていけないし、聞き返せない。注意の説明もアスペルガーの性質を理解している人でないと難しい。そして、「そのままでいいや」と流してしまうことも多いそうです。積極奇異型だと、人によってははっきりと、しかも、何度もしつこく聞く人もいるそうですが、受動型、孤立型のアスペルガー、もしくはADHDの不注意優位の状態を併発しているケースなどは、聞き返せないそうです。孤立型は、聞くとこじれるのを怖がるため、自己防衛のためです。受動型は、相手に合わせてしまうから、聞きそびれることも多いようです。
フォローしてくれる人がいたら、自分の性質を正直に言えるでしょうけれど、馬鹿にされる雰囲気になっていたら、自分から「僕は不器用です。説明を聞いても、すぐに呑み込めません。すみませんが、教えてください」とは、言いづらいそうです。もしくは、どういう聞き方をしたらいいのか、わからないというケースもあります。
周辺者でも、「聞きづらい」ケースは多数ありますが、周辺者は他者に起こっていることを、自分に置き換えて考えることができるため、自分以外の人が叱られる、トラブルになっているケースで学習していくことが可能です。アスペルガーは、自分と他者の違いが分かっていないため、他人が怒られていても無関心になることが多いそうです。
もしも、アスペルガーとしての自分を受け入れつつあり、対応していこうという気持ちになっていたら、「こういう説明でお願いします」とか、「説明の量を少なめにしてください。ゆっくりにしてください」と自分から言った方がいいということを、「周辺者」が教えてあげたほうがよさそうです。
怒られそうだから、そのままにしておき、大人になってしまうケースは、アスペルガーの受動型でとても多いそうです。そのため、発見が遅れてしまう。そのままにした場合のリスクを、説明したうえで、少ない分量で、「周辺者」が少しずつ指導してあげられたら、いいかもしれません。