「飛び上がりそうなぐらい驚いた」「それを選ぶの? 嫌だ。吐きそうだ」と友達や知り合いに言われた場合。
→大変さを表す言葉で、大げさなことを言いたいための修飾語を真に受けてしまう。ただの飾り言葉で、「とても」「たいへん」「すごい」などを、わかりやすくするための表現なので、「当事者」は「飛び上がるんだ?」「吐きそうなんだ?」と返答しないほうがいいです。「驚いた」「嫌だ」のほうを重要に考えたほうがいいパターン。「ぜひ、これがお勧めよ」「ものすごく似合うわ」と、初めて入ったお店の人に勧められた場合。
→セールストークのため、お客様に買ってもらいたいから言っている場合もある。定型発達の人で慣れている場合は、自分の目で確かめて買っている。
「すぐ近くの家で、白アリが発生しました。見たところ、あなたの家も危ないですね」「地震で倒壊した家は、あなたの家と同じぐらいに建てられたものが多いですよ。危ないので、リフォームを」「あなたの家は呪われているオーラが見える。ハンコを買いなさい」「この近くの伊藤さんの家でも買われて、気に入っていただけました。あなたにもお勧めですよ」と、家を訪ねてきた売り込みの人に言われた場合。
→この辺になると悪徳商法です。ASDは、これすら真に受けてしまうレベルの「当事者」がいるため、一度でも引っかかった覚えのある人は、重要な決定事項は、自分一人で決めない。金銭、通帳は別の人が管理する。などの措置が必要です。建築士、屋根診断士、家の鑑定家、本物の占い師などは、まず、一軒一軒回って、商品は勧めないです。回っているのは、セールストーク集を読み込んだセールスマンです。そこまで家のことも、何も詳しくないケースばかりです。「伊藤さん」「鈴木さん」など、近所に何件もある苗字を言って、買わせる方法もセールストークです。
知り合いに、自分が遭った嫌なことを話した途中で、「そんなのやめたほうがいいよ」「その会社、おかしいんじゃない?」と軽く言われた場合。
→本当にやめたほうがいい場合は口調が違います。軽い口調の場合は冗談です。雑談中の流れでの話なら、そこまでの意味ではない場合が多いです。本当におかしい会社だったら、どんな会社の事情かを詳しく聞いてから、親身に注意します。話の流れで出た言葉は、大げさ表現と同じです。
「噂話なんだけど、○○○さんって、△△△なんだって」と、知り合いに言われた場合。
→言っている人がどういう人かで判断します。軽い口調、いつも、言っていることに真実味がない、人のうわさ話が大好きという場合は要注意。誠実な人だとうわさ話は、話しても大丈夫程度のものばかりです。定型発達の人は信用度を、話をよく聞いてから、自分で判断します。
「私、○○○ができなくて、本当にいろいろできないんです」「うちの子は出来が悪くて」知り合いと、軽く雑談中に、会話に出てきた場合。
→「そうですね」と絶対に言ってはいけないです。むしろ、謙遜で言っているだけなので、「そんなことはないわよ」という言葉を期待している場合が多いです。「いい」とも「悪い」と、何も言えない返事の場合もあるため、わからない場合は、あいまいにやり過ごす定型発達の人も多い。
「これだと、○○○となるけれど、その選択肢でいいの?」と聞かれた場合。
→ただの確認の意味で言っているケースもあるし、相手が注意の意味で言っているケースや、その答えを選ばれると、困る人がいるという場合に聞くケースもある。 相手の真意を確かめてから返事をした方が安全です。
何度もトラブルを繰り返した「当事者」に対して、「何度、間違えたら気が済むんだよ」「さすがに付き合いきれないよ」「そこまで面倒が見切れないよ」と言われた場合。
→トラブルばかりで、あきれて言っている場合と、本当に嫌がっているケースといろいろです。「君とは付き合わない」「面倒は見ないよ」とはっきり言わない場合は、「当事者」を突き放しきれないケースの場合もあり。それを言った人しか、心はわからないので、本人に確かめるしか方法はないです。定型発達の人が言われたら、表情と声でどこまで嫌がっているかを、判断してします。
「できたら、やっておくね」「たぶん、大丈夫かもしれない」「~のはずだから」 という言葉で言われた場合
→「~できたら~する」「~かもしれない」「~はず」この言葉は「周辺者」でも迷います。はっきりと聞けるときは、確認したほうがいいです。相手がごまかしたくて、あえて、その言葉をつけている場合は、聞き返すと野暮っぽくなる場合もあり、相手の言葉の言い方と表情で定型発達の人は判断しています。「お話は分かりました」と、会話中に言われた場合。
→「わかってもらえましたか」と返事をしてもいいケースと、してはいけないケースと分かれます。「でも」「しかし」と続く場合は、内容が分かりました、把握しましたという返事で、「わかりました」と言っている場合があり、OKではなく、納得したわけじゃないケースもあるからです。相手の表情が浮かない場合は、納得してないです。さらに相手に確かめてから返事をした方が安全です。何か、問題があった時、内緒にしていたことが発覚した時に、聞かれる言葉、「怒らないから、教えて」と言われて、怒らないのなら教えてもいいかもと思って、正直に教えたのに、「なんで、内緒にしていたんだ!」「どういうことなの?」「信じていたのに」などと、聞いた人からなじられてしまう場合。
→この場合は、聞いた人の性格や状況によって変わります。聞いた人が「何とか聞き出してやろう」と思って、誘い文句で言うケースもありますし、「状況を聞いてから、考えたい」と思って、実際に聞いたら、思ってもみないことを言われて、つい「カッとなった」ケースもあります。聞いた人は、聞いた時点では感情的にならないようにと思っても、事実を知ってしまって抑えられないケースになります。ASDの「当事者」は、怒らないと言ったのに、怒ったのはウソをついたと勘違いしますが、誘い文句で言って、叱ってやろうと思って聞き出す人の場合は、嘘をついたことになります。実際に聞いて、感情的になったほうは、ウソをついた意識は、聞いた人にはなく、「聞く前は怒らないと決めていたけれど、そんな状況なら、いくら何でも怒りたくなるよ!」と気持ちが変化しました。ASDの「当事者」にしたら、「怒らないと約束をしたのに、怒るなんて、ひどい!!」となります。聞いた人は、「怒らないと約束したけれど、それは約束違反になっても怒るケースだ!!」となります。状況にもよりますが、ASDの当事者は怒られた理由が正当なものなのかの判断ができません。聞いた相手が怒りを鎮めるのを待ち、「当事者も」すぐに「理不尽だ。怒らないと言ったじゃないか!!」という気持ちだと、話し合いができないので、両方の気持ちが鎮まるまで、「いったん休止」にしたほうがいいかもしれません。その後、図やフローチャートなどを使って、ASDの「当事者」に理解できるように「周辺者」のほうが、説明が必要になるのではないかと思います。状況に合わせて、考えていかないと難しくなります。感情的になると聞いてもらえないので、「当事者」「周辺者」の気持ちが鎮まってから、事務的に説明をしたほうが良いようです。セールストークを見抜けない「当事者」も多いようです。セールストークに対する返答を、あらかじめ「周辺者」が「当事者」のレベルに合わせて作っておくのも一つの方法です。
金銭の問題で、何かある場合は、「周辺者」が大きなお金の流れを管理したほうが安全です。ASDの「当事者」は、少額を持つ程度にした方が安心だと思います。
冗談、社交辞令なども、一度でも引っかかったものなど、自分レシピ本のルーズリーフに印刷して予防するのも一つの方法です。ADHDの「当事者」やADHDを併発しているASDは、覚えておけないので、レシピ本を時々見直してもいいかもしれません。