始めに

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社交辞令を信じる

 ASDの人とコミュニケーションは取りづらいです。言葉を額面通り受け止めるからです。社交辞令、常套句、これらも真に受けるケースがたくさんあるようです。

「今度、飲みに誘ってください」「ゴルフを始めたんですよ。一緒にどうですか?」

  →挨拶代わりに言っている場合も多い。相手の言葉の力の入り具合で違うので、返事が違ってくるのが分からない。

「よろしかったら、これをどうぞ」と何かを勧められる。

  →「私、それは嫌いなんで」と、ASDの「当事者」が返事してしまう。この場合は、「はい、ありがとうございます」と好き嫌いは言わないほうが良いことが分からない。

「最近、太ってきたのよ」

  →「そうだね。本当に太ってきたね」なんて言ってしまう。定型発達の人がこんなことを言う場合は、冗談で友達に笑いながら、「嘘だって、そんなことないよ」のフォロー付きなら、言う人もいる。この場合は、「そんなことないわよ」と否定してあげる場合が多い。それ以外だと、「私も太ってきたから、ダイエットとか、いい情報があったら教えてよ。何が効果あるかなあ?」 などと返すこともある。

「困ったことがあったら、言ってください」を真に受けて、相手に頼んではいけない範囲まで、頼もうとする。

   →「それは、あなたが自分でやらないと。手伝える範囲のことだったら、やるけれど」と定型発達の人が言っても、本気で怒り出す。

「それ、面白そうだね」と発達障害者が聞いた場合、「じゃあ、今度貸してあげるよ。そのうちに」

  →この場合、「そのうちに」が付いていることが重要で、具体的な日にちがないと、貸さないこともある。相手によっては、本当に貸してくれる場合もある。相手の言葉の言い方と表情と性格で見分けるということがASDはできません。

「検討しておきます」「前向きに考えておきます」

  →言葉の抑揚が平坦なら、「言葉だけだ」と言う可能性もあります。前後の言葉で判断しないと難しいです。

「機会があれば、誘います」「今度、お近くに寄った場合は、伺います」

  →「機会があれば」で誘う場合は、ほとんど連絡がない。「ぜひ、行きたい」という気持ちはない場合が多い。「そのうち」と同じパターン。「近くに寄った場合」は、自分が行く場合も、相手が近くに来た場合も、伺うことは、あまりない。よほど、親しい仲だとあり得るけれど、連絡は入れてから行く場合が多い。    
                        

  
 これらを見分けるのは、相手の言葉の言い方、強さ、表情、相手の性格を考慮して決めるのが定型発達者です。「いつ」「どこで」「だれと」が入っていると本気の場合が多い。「そのうちに」「いつか」「機会があれば」などが入っていると、本気じゃないことも多いです。でも、中には、ひねくれている人、まじめすぎる人、相手も社交辞令が分からないなんてこともあるため、「周辺者」でも見分けがつかないケースもあり。

 相手の本気度、実行する気持ちの強さを考えないといけませんが、その場にならないとわかりません。自分は、「私は、社交辞令を真に受けちゃうタイプなんで、わかりやすく言ってもらえると、助かります」とあらかじめ言っておくことも予防法としていいのかもしれません。
 ただし、ちゃっかりした人、相手に押し付けたがる人、誠実じゃない人もいますから、相手が信用できるかどうかも、考える必要があります。自分の症状を理解している相談できる人を日ごろから作っておいた方が安心です。その場合は、相談した相手に、「いつも、悪いけれど」「いつも、助かるよ。ありがとう」と感謝の言葉を伝えたほうがいいです。「当事者」が、そういうやり取りがわからないのなら、「周辺者」がそれを教えてあげるしか、なさそうです。

ページの用語

「当事者」ASD、ADHDの症状がある人
「周辺者」アスペルガー、ADHDの周辺にいる人
「専門家」カウンセラー、精神科医