始めに

基準のページは、左の固定ページとなります。すぐ下のラベルはブログ記事の項目別になっています。右の目次は、ブログ記事の目次となります。

「受容」状態

 嫌がって、怒って、何かにすがって、悲観して、そうして、ゆっくりと静かに、ASD、ADHDのことを受け止める状態が「受容」になります。ここまで到達する時間は個人差があります。瞬時に「だって、しょうがない」と受け止められる人もいるみたいですが、多くの場合は、それなりに時間を要するようです。「当事者」「周辺者」がここに到達して、初めて、色々なことを話し合えるし、対応も考えられます。どちらかが、先に到達している場合は、到達したほうが、対応について、先に考えていけばいいのではないかと思います。到達してから、ゆっくりと対応を話し合っていけばいいと思っています。
 ただし、到達しない人がいます。「受容しない人もいる」を参考にしてみてください。そういう人の場合は、待っていても、難しい場合が多いです。到達するのに、数年かかったり、底つき体験を経て、やっと、受容プロセスを踏み出す人もいるからです。この場合は、距離を取りつつ様子を見るしかなさそうです。

 「受容」段階に入ったら、安心というわけではないようです。実際は、ここからが本格的なスタートになります。スタートですので、道のりは長いです。ASD、ADHDの状態をここから一緒に考えていくことになり、平坦な道ではないからです。何しろ、認知にずれがあり、「当事者」は「周辺者」の感覚を知りながら行動しなければいけなくなるし、「周辺者」は「当事者」の行動の意味を分かっていなければ、サポートもフォローも、自分の感情の処理もできません。「当事者」の感情の処理は「周辺者」が手伝わないといけない場合もありますが、「周辺者」の感情の処理は「当事者」は余裕がないので手伝えません。そのため「周辺者」は自分の感情処理を、自分で考えていかないといけないようです。

 道のりは平たんじゃないし、トラブルだらけ、先は見えないとなると、一応「受容」はしたけれど、時々、受け止めきれなくなります。そうすると受容プロセスのどこかの段階に心が戻る場合もあります。一度、受容プロセスをたどっているので、自分の心がどの段階で止まりやすいかはわかっているはずですが、気持ちの問題ですから、なかなか切り替えが難しいところです。イライラしたら、無理をしない。怒ったり、嘆いたり、嫌な気持ちになったら、「感情的になりやすい性質のものすごく難しい問題に対処しているのだから、しょうがない」と思うしかなさそうです。自分を責めず、周囲も責めず、罪悪感も持たず、「ほどほどで行こう」と考えていくのがいいのかもしれません。

 受容後は「悟りのプロセス」へ

ページの用語

「当事者」ASD、ADHDの症状がある人
「周辺者」アスペルガー、ADHDの周辺にいる人
「専門家」カウンセラー、精神科医