ADHD、ADD,注意欠陥多動症、注意欠如多動症。こちらも同じです。ADDは、ADHDの子供が大人になると多動の部分が見られなくなるとそう呼ばれるようです。
基準は国によって違います。一番大きな基準は、教科書でおなじみの「WHO」世界保健機関。この基準を採用しているのは、主に行政です。ICDと言います。日本の発達障害に対する法律は、過去に何度か改訂されたり、変わりました。現在は、発達障害者支援法となっています。ICDを基準にする「専門家」も多いです。ICDでも、自閉症スペクトラムとなっています。
現在は、DSM(アメリカ精神医学会基準)では、アスペルガー症候群と呼ばれず、ASD(自閉症スペクトラム症)となっているようです。
PDD-自閉症、アスペルガー症候群のほか、レット障害、小児期崩壊性障害、特定不能の広汎性発達障害が含まれる。
ASD-アスペルガー症候群、高機能自閉症、早期幼児自閉症、小児自閉症、カナー型自閉症を統合した名称。
アスペルガーと、ADHDのケアをする専門家は、主に二つに分かれます。医学を修めた方。心理学を勉強した方。国家資格はそれぞれあり、医師と公認心理士。公認心理士は、これからの資格なので、わかっていないことが多いようです。民間資格である臨床心理士がカウンセラーとして一番、信用される資格でした。法律が変わるようなので、どうなるかわかりません。「専門家」が採用しているもので多いのは、精神医学の先進国のアメリカの基準です。DSMと言います。専門家さんたちが扱うのは、アスペルガーやADHDだけじゃないので、それを基準にするのがDSMが多いようです。ヨーロッパではウィングが提唱したアスペルガー症候群の概念で考えるようです。積極奇異型、受動型、孤立型とタイプを分けたのもウィングです。1944年にオーストリアの小児科医であるハンスアスペルガーが論文を発表して、三十数年も経った、1981年にアスペルガー症候群としてイギリスの女医ローナウィングが論文を発表したようです。注目されたのは、これ以降になるようです。
違う部分もあるようですが、大まかに分けるとDSM、ICDの概念と、ローナ・ウィングの概念の二つに分かれるようです。
ADHDのほうは諸説あるようですが、1800年頃に、症例が示されている文献があるようです。1902年には、ジョージFスティルという人が、講演を行ったとされているようです。当時の病名はスティル氏の名前に由来したもので、ADHDではなかったようです。1960年代になって、はじめて、アメリカのDSMに掲載されて、多動について書かれ、その後、不注意生についても追加されると言う変遷をたどったようです。1980年にADHDと言う名前が出てきます。
専門家が、ICD、DSMなど、どれを基準にしているかで、アスペルガー症候群、ASDと診断名が違っているようで、ややこしくなっているようです。本、インターネットの情報は、基準の改訂前や後で名称と分類が違ってきます。書かれた時期や参考にしている基準を調べてからのほうがいいようです。ギルバーグ、サトマリの診断基準もあります。1960年ごろにはICDに、アスペルガー症候群が載っていたようですが、そのほかの基準で、アスペルガー症候群が含まれるようになったのは、1990年前後が多いようです。
「専門家」の診断基準は、ICD、DSMとなり、本などで書かれているのは、ローナ・ウィングの三つの組、ギルバーグなどを参考にして書かれているものも多いようです。
このサイトでは、一般的に知られている、ASDとADHDの名称を使っていきます。(前はアスペルガーと表記していました。名称は時代によって変化しているため、アスペルガーのままとASDと必要に応じて、変えてあります)
*かなり前に診断された方の中には、お医者さんを変更される方も多く、そのたびに、診断名が次々と変わってしまった人も多いようです。診断される医師の技量もあるらしく、統合失調症と言われたとか、境界性人格障害、双極性障害と言われたという書き込みもちらほら見かけました。アスペルガー症候群、ADHDの症状に詳しい医師に相談したほうが安心で安全です。発達障害者支援センターに相談したほうが、いいかもしれません。