会話をしていて、変だなと気づかれるタイプの発達障害の人の場合は、一つの事柄や、単語に対してからして、イメージがずれている場合があります。最初は、「価値観の違いだろうか?」とほとんどの人は、流すと思いますが、何度も会話をしていくと、「あれ?」と気づき、約束を守ってもらえなかったり、意味が違っていたりして、かみ合わなくなり、問題に気づくケースも多いようです。
期日が決まっている、大事な要点があるのに、「忘れた」「覚えてない」という人も多く、ひどくなると「そんなことは言ってない」もしくは、違う形で覚えているなんて言うケースもあります。これらは、イメージの違いからくることも多く、「一般的にはこっちの感覚」というので、暗黙の了解があると、説明をしないままで、あいまいなまま、会話をしてしまい、お互いに、思っていること、感じていることが違っているというケースがあるようです。
イメージのすり合わせをしたくても、いくら会話をしても、かみ合わない、合わせられないという発達障害者もいますから、大変になります。発達障害の症状の自覚を発達障害の症状のある「当事者」のほうがわかっていないと、会話のすり合わせすら難しくなります。裁判などで、発達障害者と離婚したくても、長引いた。金銭問題、借金問題で、言うことが違ってきて、嘘ばかりつかれて、どうしたらいいのか、お手上げになる。そんなケースも発達障害にはあるようです。
単語一つとっても、一般的には、こんなイメージで、単語を使う。というのさえも、「私の中のイメージは、こっちだ!!」と言い張られてしまうことが多く、特にASDの症状が強すぎると、こだわりだらけとなり、イメージがずれまくります。イメージを一般感覚は、こちらになるよという説明しても、その説明すら、最後まで聞けない。なんて言う重症の人だとお手上げになります。
この場合は、イメージのずれが多くなるのであれば、きちんと、全体像を見せる。要点を紙に書いて渡す。全体の流れ、作業工程表、なども作らないと、難しいようです。お仕事などで、ジョブコーチをつけてもらっている障害者であれば、慣れているかもしれませんが、「病院も行きたくない」「私は間違ってない」「あなたたちのほうが合わせればいい」という発達障害者の場合だと、周辺者が、紙に書いて渡しても、難しいようです。
発達障害者のほうが、自分の症状を知り、どんな間違いがあったのかを書き留め、自分の弱点と、得意分野を知ったうえで、周りの人も、会話の方法を学び、そうやっていかないと、発達障害者と会話もできないようです。
会話法を、「当事者」「周辺者」が学び、一般的な概念も学び、単語などのイメージがずれている場合も修正できるようにしていき、ということができて、初めて、約束がちゃんとできるかもしれませんが、「そこまでしたくない」というのが実情です。発達障害者と約束をできるだけしない。はい、いいえの答えで済むような会話で済ます、症状を把握してもらう。発達障害者は自己主張しすぎない。など、たくさんの注意点を考えて、行動ができるようになって、初めて、一緒に何かをできるようになるようです。それまでは、かなりの時間がかかると思うので、症状の勉強をしていくしか、なさそうです。