ところが、発達障害の症状を持っている発達障害の「当事者」の人たちは、症状がない人が学べることを、スムーズに理解ができません。そのために、別に研修が必要になります。子供のころに発見された場合は、「療育」という形で研修を受けます。大人になっていた場合は、SSTセミナー、デイケア、就労支援施設での研修などの方法で、一般社会スキルを学んでいきます。
発達障害の「当事者」の一般社会スキルレベルは個人差があります。(定型発達の社会スキルレベルとは違います)
スキルレベル 高い
発達障害の症状に自覚がある。自分の症状をほとんど把握している。
発達障害の症状に合わせた対応方法を理解している。把握している。
定型発達の人の脳の動きをある程度理解している。
薬など、お医者さんに通って、症状が安定している。
認知行動療法が必要じゃないレベルまで達している。
会社で、ジョブコーチに指導してもらわなくても、仕事に支障が出た場合の対処法を学んでいる。
スキルレベル 中
高レベルの人の半分ぐらいの状態になっている。
症状の理解は、半分ぐらいはわかってきた。
症状に合わせた対応方法は理解したけれど、まだ、実行すると不安定だ。
定型発達の人の脳の動きとの違いは、分かりつつある。
定型発達の人の脳の動きとの違いは、分かりつつある。
お薬の効果がある時間は、安定しつつある。
認知行動療法は受けているけれど、どうしたらいいのか、わかってきている。
ジョブコーチをつけてもらって、仕事の場での安定を模索している段階。
スキルレベル 低め
発達障害の症状の勉強は初期段階。
自分の症状の自覚が弱い。
対応方法まで学べる余裕がない。
人に聞いてばかりいるけれど、持論を言い張ってしまう。
定型発達の人の脳の動きをよくわかっていない。
定型発達の人の脳の動きをよくわかっていない。
お医者さんに通うかどうか迷っている。もしくは、通っているけれど、薬の検討を考えている段階。もしくは、薬の量の調整段階。
認知行動療法まで、やってもらっていない。もしくは、認知行動療法をやり始めたばかり。
ジョブコーチがつく前。もしくは、ジョブコーチを付けたばかりで、なにがなんだかわかってない。
日常生活で安定し始めるのは、中レベルを超えてからになります。つまり、中レベル以上じゃないと、日常生活もお仕事も、どんな場所に行っても、安定はせず、周りは困惑する状態になります。発達障害の人は、中レベル以上は目指さないと、周りの人は、困り続けることになります。
発達障害の段階に合わせて、日常生活でも、お仕事の場でも、「周辺者」のサポートが変わってきます。