始めに

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得意なことはものすごく覚える。まったく覚えないこともある。

 不思議に感じますが、同じ人なのに、落差のある行動がたくさんあるのが、発達障害のようです。「勉強はできます。でも、記憶が悪いです」意味不明で、何のことなのか、わからずに確かめると、本に書いてあるものは、覚えられる。行動で見ると覚えられない。さっき聞いたことを忘れる。理路整然とした、体系づけられたものは覚えられる。でも、漠然とした、ふわーとしたものは覚えられない。

 この差は、「当事者」じゃないとわかりません。「国語は得意です。数学は苦手です」のように、共通した認識があれば、理解はできます。学生時代に、そういう人をいくらでも目撃しているので、違和感もありません。でも、耳で聞いたことが、全部抜けていきます。でも、勉強はできます。という生徒を、あまり知らないのではないかと思います。本人も気づいてなかった。「社会人になって、自分で知りました。怖くなりました」という発言も多く書き込まれています。

 単語だけしか聞いてない、覚えてない、時系列で並べられると覚えられない、メモで並んでいても、並べ方に違和感を感じて、覚えられない。順序が逆になるだけでパニックになる。いろいろな症状から、「覚えられません」と言われても、個人差がありすぎて、周りの人は、違和感を感じます。

 しっかりと症状を知り、その症状に合った対応方法が確立されて、福祉の面が充実し、働く環境も、家庭環境も、整えてくれるのを手伝ってもらえる。なんて言う状態には、すぐにはならず、「自分で、マニュアルを作ってください」というのが、発達障害者の人たちの自己防衛の方法のようです。

 マニュアル作成ソフトがある、マニュアル作成の補助を行政がしてくれる、マニュアル作成の支援者がいる。なんて、環境にならないと、難しいのかもしれません。

ページの用語

「当事者」ASD、ADHDの症状がある人
「周辺者」アスペルガー、ADHDの周辺にいる人
「専門家」カウンセラー、精神科医