ASDの「周辺者」の意見の中で、「何度も説明を続けて、その時は、『わかった』と返事をしてもらったのに、何度も同じことを繰り返して、失敗します。なぜ、同じことを繰り返し続けて、それのフォローを続けないといけないのか、分からなくなりました」というようなものをいくつも見つけました。理由は、嫌なことは忘れてしまう脳だからのようです。間違った認識の覚え方をしており、こだわりもあり、さらに嫌な記憶だと覚えていられない、そういうものがいくつも重なって、いくら説明しても、いくら社会スキルを身に着けてもらおうとしても難しいレベルの人も多いようです。
そういう場合は、「無理して付き合わない」「距離を取ったほうがいい」というものが多いようです。
素人判断のようですが、重度、軽度、グレーゾーンの見分け方があるようです。
「本人が、何が悪いかわかってない。説明してもらっても理解できない」
「取り組む気がない」
「謝ることができない」
「同じ間違いを繰り返していても、周囲が間違っていると思い込んでいる」
などのケースは重度に分類している人が多いようでした。
「本人がその時はわからなくても、あとで、症状が理解できたり、直していきたい」と感じることができる場合は軽度、もしくはグレーゾーンの可能性が高いそうです。そもそも、取り組むことができるようなASDの人のほうが少ないらしく、取り組もうとしても、それでも、難しいようです。
インターネットのブログやサイトを開設して、状況の説明や対応方法を自分なりに発信てきている「当事者」の人も多く見られます。ほとんどが、ASDの中でも、高学歴の人が多いように感じられました。
「さほど、勉強したことがないけれど、一応、国立です」
「社会に名を知られている大学です」と書かれている方も多いようです。
一般に、誤解されていると言われているのが、この部分。高学歴、学者、医者、経営者、スポーツ選手、社会的成功者が多いという部分。本にも、そうやって書かれているものも多くありました。
実際に関連施設での相談に乗っている専門家たちの意見は、「こういう施設に通われている人は、高学歴の方や社会的成功者の方は少ないですよ」というものでした。高学歴で、社会的成功者なら、そもそも、「仕事の面で、ものすごいまでの問題が出ていなかったり、何とか周りのフォローがもらえていたりして、本人がさほど困ってないために、通う必要がない」というケースではないかと言われていました。
ところが、同じASDでも、「ガス、水道が止められた」「携帯電話の料金を払い忘れていた」「ローンが組めない状況にまで追い込まれた」「信用を無くして、会社で閑職に回された」という「当事者」の意見や、「周辺者」から、「殴られたり、怪我したりで、怖くて近寄れないぐらい行動が怖い」「言葉の暴力がすごすぎて、フォローなんて、とてもできない」「何度も謝り続ける生活に疲れ切った」「借金だらけで、もう、財布を振ってもお金が出ない」「何度浮気すれば気が済むの?」と言われているケースなど、これだけじゃなくて、いっぱい、困った状態が載ってました。
料金の支払いとか、浮気だと、ADHDの併発ではないかと言われているようです。
何度も、何度も言っても繰り返す場合は、そもそも治らないケースになるかもしれないため、あきらめも肝心で、どの程度処理するかは、「周辺者」が考えて、トラブルに疲れ切り、「離婚しました」というのもたくさんありました。そこまでじゃなくても、心の距離を取り、自分の気持ちに従ったほうがいいケースもたくさんあるようです。