ウソに種類がありますが、アスペルガーの「当事者」は区別がつかない人もいるようです。
大嘘、小ウソ、嘘も方便、ちょっとしたごまかし、建前など、様々な場面で、「周辺者」は何となく使い分けています。「ここは教えないほうがいい、言わないほうがいい」と思ったら、黙っていることもあります。建前社会の日本では、そう言う場面はたくさん出てきます。ところが、アスペルガーの「当事者」は、「嘘を言ってはいけないだろう」と思い込んでいる人もいるために、トラブルに発展することもあるし、会話のやり取りで問題が起きます。
建前ですが、すべての場面で、同じ行動をする人は、めったにいません。プライベートと仕事、上下関係、様々なことを考慮して、行動を決めています。言葉遣いも、服装もたくさんありますが、一度でもやったことがあるものはわかっていても、複雑な状態になるとわからないという「当事者」もいるし、会社や、公の場では出ないけれど、家庭内だけ、とある人にだけ、症状が出る「当事者」もいるようです。この辺は、信頼できる、症状を知っている相談相手を「当事者」は決めておいたほうが安心です。「周辺者」は教えたいと思っている場合は、気長に教えていくしかなさそうです。すぐに理解する「当事者」から、何年かかっても、理解できない「当事者」まで、アスペルガーの「当事者」でも個人差が大きいようです。
ごまかしですが、「遅刻した」「ちょっとだけ失敗したけれど、言うほどじゃない」など、ごまかしたほうが、その場が助かるだろうと思って、黙っているケース。自分の保身のために黙っているケース。誰かに被害が及びそうだから、黙っておいたほうがいいケース。様々です。そう言うのもあるので、「当事者」は、気に留めておいたほうがいいかもしれません。
小ウソ。これは、アスペルガー、ADHDの「当事者」の両方で出る症状になります。たいてい、書かれている理由は、「あまりに怒られるから、怒られたくなくて、嘘をつき始めて、やめられなくなった」というものです。小さいウソと言っても、ごまかしとの違いは、「自分が言ったんじゃないよ。〇〇ちゃんが言ったんだよ」と、違う誰かに責任転化してしまうケースが多いようです。自分のしたことで不都合が出てくると、違う話に変えてしまうケースが多いようです。これがどんどん度重なって、ウソを塗り重ねて、大嘘につながってしまう。そうなると、もう取り返しのつかないところまで行くようです。大嘘になる前に、嘘をついてしまう原因のほうを、考えていく必要あるようです。小ウソに対しては、嘘をつくことをいけないということを最初に言うのではなくて、「なぜ、そういうことを言うの?」と一つ一つ教えていく必要があるようです。ミスを責めず、トラブルになった原因を紐解く作業を気長に教えていく必要があるようですが、それが染みついてしまい、大嘘まで言い続けてしまうケースもあるようです。
ADHDの人は、嘘をついてしまっても罪悪感もなく、保身で、それを続けるケースもあるようです。アスペルガーの場合は、「とにかく、自分が怒られたくない。怖い」と思って、自己防衛のためのウソのために、ためらいなくうそをつくのですが、つじつまが合わせられないために、割とすぐに発覚していくようですが、家族や親族だと遺伝の関係で、アスペルガー、ADHDの症状が出ている人が複数いるグループ構成になる場合は、複雑になります。もめるようでしたら、距離を取ったほうが安全であり、それぞれ、症状からくるものだと発覚した時点で、個人で処理をしたほうがいいようです。共同作業や話し合いは一切中止して、「当事者」それぞれが自力で調べるか、専門家に相談したほうがいいようです。トラブルが続くと、気持ちもイライラしやすく、感情的になっているので、その部分も専門家に相談しながら、トラブルは「脳で起こっている錯覚からくるもので、当事者の責任ではない」ということを、理解して、トラブルを減らすにはどうしたらいいのかを「当事者」自身が理解し、症状を理解し、対応を覚え、嘘をつくと、どんなデメリットが起きるかも、専門家に教えてもらいながら、一つ一つ、解決していく必要があるようです。時間がかかるようですが、理解ができる「当事者」であれば、だんだんと落ち着いていくという事例が、あちこちに載っていました。でも、理解できない、もしくは受け入れたくない気持ちを持ち続けるケースもあるようです。「私は悪くない。周りが悪い。私はうそをついてない。私は正しい。相手がウソをついているんだ」と言い張ってしまっている場合もあるので、そういう人は専門家でも難しいようです。こういうケースの場合は、「周辺者」は距離を取って様子を見るほうが安全のようです。