始めに

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イメージのずれ

 会話でコミュニケーションをとるのが難しいのが発達障害の症状です。特にASDは、「言われたことを、そのまま受け取る」という症状があります。この言われたことを、「どこまで聞いているのか?」によって違ってきます。「最後まで聞こうとする」受動型ASDの症状の人と、「最初から聞きたくないから、聞いてもいない」という積極奇異型、孤立型の人もいます。「途中までで、わからなくなった」このタイプが一番多いようです。

 そういう場合は、コミュニケーションをとるのに、必要な項目がいくつかあります。

発達障害者側
 症状のない人の脳の動きを知っておく
 一般的な価値観をわかる範囲で把握しておく
 自分の症状を知っておく
 症状の対応をできる限りでいいので、把握しておく

症状がない人側
 症状がある人の脳の動きを、わかる範囲で把握しておく
 発達障害の症状を、一応把握しておく
 症状の対応を、一応把握しておく

 これらで、発達障害者と、症状がない人と基準が違ってしまっているのは、発達障害の症状がない人は、必ずしも「症状を絶対に把握しなくてはいけない」なんて義務がないからです。理由は、振り回されるからと、どの程度かかわるかを決めるのは、「症状がない側も決めていい」からになります。トラブルを起こしているのは、発達障害の症状になります。症状を持っている側と、その症状を持っている人のそばにいる人だと、意識は違ってきます。ところが時々、発達障害者側の意見で、「発達障害は障害の症状で苦しんでいるので、絶対に、私たちに合わせてよ!!」という強い意見があって、とても、驚きます。「絶対に」は、難しいのが状況です。それで言ったら、ほとんどの人が言い出してしまいます。「私も困っているので、その状況に、私たちのほうも合わせてよ!!」と。この部分は、大人になると、なんとなく、その場に合った形での収まり方で、我慢するところは、我慢し、変えたほうがいい場合は変える。臨機応変という対応になります。
 発達障害の症状は、時に、症状のない人からすると、「ちょっとわがままでは?」と感じるものも多く含まれます。ところが発達障害者からすると、「絶叫したくなるぐらい、耐えられない!!」だそうで、その違いは、症状がない人が圧倒的に多いため、わからないのが一般的です。お医者さん、看護婦さん、学校の先生などの公人、行政の担当者、支援者、ボランティアの人は、圧倒的に症状がない人が多数含まれるため、言葉でのコミュニケーションができないこともあり、訴えられても、「わからない」というのが実情です。

 バーチャルリアリティの機械が、開発されつつあります。その機械で、障害者体験プログラムというのが開発されたら、違ってくるかもしれません。「もしも、お年寄りになったら」「もしも、足が悪かったら」「目が見えなくなったら」「脳の働きが鈍くなったら」「脳の働きが発達障害者と似た状態になったら」というプログラムを、お医者さんなどの医療従事者、先生などの公務員、行政の担当者、支援者。ボランティアや、発達障害のそばにいる人たちが体験できたら、いろいろなことが違ってくるかもしれません。大学や研究施設で、そういう方面でも取り組んでもらえたらと感じますが、なかなか、難しいかもしれません。それまでは、想像で、お互いに歩み寄るしかないのが実情です。
 

ページの用語

「当事者」ASD、ADHDの症状がある人
「周辺者」アスペルガー、ADHDの周辺にいる人
「専門家」カウンセラー、精神科医