始めに

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確認と見通し

 ASDとADHDの人は、職場で症状が発覚して、診断が出たら、ジョブコーチがついてもらえるケースがあります。その場合は、環境作りをしてもらえます。静かになれる環境。日程表、作業工程表とか、カレンダーの書き方とか、仕事の進め方も教えてもらえますが、仕事以外の場所では、ジョブコーチがつきません。そのため、「当事者」「周辺者」が自力でしないといけなくなります。子供の発達障害者の場合は、両親はペアレントトレーニングがあるようですが、ファミリーやグループに対しての、トレーニングマニュアルは、ものすごく少ないです。発達障害児童のための育児書、関連本の数は膨大ですが、大人の発達障害者と、その周辺者のマニュアルは、まだまだ少ないようです。皆さん、どうしているかというと、自分で、マニュアルを作っているようです。

 定型発達の人向けの確認では、環境では、発達障害の症状がある人はミスやトラブルが多くなります。見通しが甘すぎたりして、相手に連絡しなくてもいいやと勘違いしてしまい易く、それに本人が気づかない。障害者であると認定してもらっても、「私は普通だ。どこが違うんだ」という「当事者」のコメントをちらほら見かけます。「周辺者」の方は、「どこが違うのかと言うのが、漠然としているけれど、他の人と何か違うように感じていた」というコメントがたくさんあります。意識がそこまでずれる理由は、サリーとアンの問題と同じだからのようです。自分以外の人の側から、物事を見ることができない。一応、説明してもらうけれど、「大丈夫だよ」と過信するADHDの人は多いようですし、「俺の方が正しい」というASDの人も多く、定型発達からすると、「なぜ、それで違和感を感じないの?」と理由はわかりません。サリーとアンの問題を解ける側と解けない側の意識の違いです。

 実際の会社や、いろいろな場所では、優先順位を決めないといけないことだらけ。判断が難しく、あっちもこっちも考えないといけない。サリーとアンだけの登場人物の問題より複雑になります。そんな問題を、発達障害者側は、「常に自分の側からしか、物事を判断できない脳」なので、違和感がないそうです。違和感を感じる発達障害者の人も大勢いるようですが、その後の動きが違うそうです。気を取り直して、対応をできる範囲でやっていこうとする人もいますし、すねて、いじけて、逃げてと言う人も多いようです。

 こういう症状があり、さらに確認と説明を何度も重ねないと難しいのに、「俺は悪くない」「この程度は許される」「他の人に相談しなくてもいいや」「確認はしたはず」「話をした時点でOKになっていると思い込んでいる」なんて、脳の人のままだと、「周辺者」は、手伝えることもない状態なので、確認できるのは、説明できるのは、症状を自覚し、症状を把握し、対応したいと思っている、「当事者」だけしか難しいようです。

ページの用語

「当事者」ASD、ADHDの症状がある人
「周辺者」アスペルガー、ADHDの周辺にいる人
「専門家」カウンセラー、精神科医