始めに

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ASDの人と離れたとしても

 ASDの家族、同僚などの書き込みで多いのが、「関わりを持たなくなったけれど、後遺症が残っています」というもの。どうしてかというと、やり残し感、認められなかったこと、認めてほしかったこと、やりきれないこと、罪悪感などの、いろいろな感情処理が終わってないからだそうです。

 離れられなくても、離れても、自分の心の中にある満たされないものが解消されない限りは、モヤモヤした感情は、しっかりと残ってしまい、その部分の解消は、人それぞれですが、時間がかかるようです。

 自己肯定感は低いし、達成感はゼロどころか、罪悪感もあって、周りとの軋轢は増えて、嫌なことの残務処理だらけです。周りは、そこまでがんばっていても、相手がASD、ADHDの人の相手だと、理解してくれることはなく、「大変だね」の言葉を言ってもらえる程度。お医者さん、カウンセラーで、発達障害に詳しくない人で、心ないことを言われたケースも多数。

「受け止めてくれる人がだれもいなかった」「かわいそうだね」「がんばったね」と言ってくれる人が、自助会以外は、いない。そのため、感情処理が追いつかない。「これで良かったのか?」たくさんの努力は、認めてくれる人は、同じ立場の人ばかり.お医者さんも受け止めてくれない。これでは、さすがに、感情処理はしろと言われても、なかなか難しい状態になります。これらの気持ちの整理を一人でやるのは、難しいので、相談窓口やカウンセリングを受けるなどをして、時間をかけて、処理をして行き、数年かかったという人も多いようです。

 「当事者」に、たくさんの注意をしたり、生活を改善したり、提案したりしても、症状の特性から、「絶対に変化させたくない」「これぐらいいいじゃないか」と変わらないことも多い上に、嫌な気持ちも積み重なりますから、「できるだけ関わらない」という方法をとられる人も多いそうです。

 気持ちの処理は、自分なりに納得した答えを出してからになるようです。

取扱い説明書

 基本的な症状がわかってきたら、とりあえず作った行動の目安表ではなく、取扱い説明書を用意した方が、便利のようです。1,2枚の紙で収まる内容の軽いものと、しっかりと書き込む取扱説明書を二種類は用意した方がいいのかもしれません。障害をカミングアウトしている場合は、職場などでは、軽い取扱説明書を、上司や同僚に渡しているというケースも、ちらほら見かけました。暗黙の了解だらけで、コミュニケーションが取れないと、お仕事に影響が多大になるケースも多数ありますから、信頼できる上司や同僚と相談した方が安全だからなのかもしれませんが、職場によっては、やり過ぎ、重すぎる行動となるため、ケースバイケースになるようです。学校、お友達、何らかのグループ関係だと、周りに見せて、理解してくださいというのまでしたら、やり過ぎで、重すぎる行動になるんじゃないかと思われます。家族、親族などのケースは、離れて暮らしていたりして、挨拶程度も多いケース。地域で密着しているケースで、親身になってくれる人、距離感がある人などで、ケースバイケース。未成年なら、作って、説明したほうがいいのかもしれませんが、その場合も、あくまで、「当事者用の取扱説明書」であって、周りの人は読む義務はありません。発達障害の当事者が取り組むことであって、上司、同僚、友達、学校、家族、親族は、親切な人が余力で助けてくれるかもしれないという程度の期待でとどめておいたほうがいいようです。「当事者」も忘れがちなので、見直しように必要になるようです。

 作り方ですが、症状について書かれている本を参考にして、自分なりに工夫して作成するのがいいのかもしれません。
 ただし、作成できない、作成が必要ないと思っている「当事者」の方もいらっしゃいますが、その場合は、そもそも、自分の症状を把握してない、把握が必要ないと思っているので、その気持ちを変えるのは、症状の特性上、難しく、数年経っても、その気持ちに変化がないのであれば、どうしようもないため、「周辺者」は、割り切りと覚悟が必要で、「取り組まない人と、どうするか?」と言う視点に切り替える必要があるようです。

 「取扱説明書」を作ることができる「当事者」ならば、かなり見込みがありますが、ほとんどが、作りもしないし、放置するし、周りになんとかしてもらおうとするし、と言う状態のようです。その場合は、「周辺者」は自分の気持ちや生活を優先してもいいようです。責任を感じず、無理して合わせなくてもいいと思っておかないと、気持ちが持たなくなります。

ページの用語

「当事者」ASD、ADHDの症状がある人
「周辺者」アスペルガー、ADHDの周辺にいる人
「専門家」カウンセラー、精神科医