始めに

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聞き飛ばし、聞き逃し、解釈違い?

 会話についていけない。でも、その理由が一人ひとり違うそうです。


会話を聞いている場合
単語しか聞いてない。興味のあるフレーズしか聞いてない。聞いているけれど、解釈を間違えている。

会話が聞き取れない場合
会話の速さについていけていない。概念がわかっておらず、途中でわからなくなる。話の展開が多すぎるためついていけない。

会話を聞いてない場合
興味がないので、横を向いている。途中で気が取られる出来事が起こって、そちらに興味が行ってしまった。途中で飽きてしまった。概念がわからないので、聞くのをやめた。

忘れてしまった場合
会話は一応、なんとなく聞いていたけれど、あとで説明することができない。聞いていたけれど、覚えておけなかった。すぐに忘れてしまった。


 症状が違いすぎるので、その人に合った環境づくりをしていくことが、治療になります。
お金を落とすといけないという症状の人は「財布に5000円まで」書類の処理が危ない人は、「重要な書類は持たせない」「期日がある書類は重要ボックスに入れる」聞き取れない、会話についていけない、聞きたくない、解釈間違いが多い人は、「ICレコーダーの活用」「メモの活用」忘れっぽい人は「付箋を活用」などの応急処置をしたほうがいいそうです。

でも、本人がどうしてもできない範囲が多いため、周りの人も協力が必要になります。代行してもらえばいいという態度で、頼むと、嫌がる人も多いので、気を使う必要があります。
応急処置の方法は、SSTのマニュアルに書いてあります。マニュアルのレベルは、初心者レベルから、知能指数が高い人向けまでたくさんあります。子供用もあります。自分の症状レベルに合わせて、子供用から、大人向けの高度レベルまで、症状別で対応を考えたほうがいいようです。自分用の対応マニュアルをルーズリーフを活用して作っていくのがよさそうです。

→「ルーズリーフを活用しよう
→「マニュアルを作ろう

行動基準表

会話の流れについていけない      3
会話が聞き取れないことが多い     2
空気が読めないと言われたことがある  1
パニックを起こしやすい        4
キョロキョロよそ見している      2
忘れ物が多い             1
書類の書き間違いが多い        2
書類などの整理ができない       1
落ち着きがないと言われ続けた     2
時間、約束を守れないことがある    1
聞き間違いが多い           5
聞き飛ばしが多い           3
イライラしやすい           2
間違い電話が多い           1
用件を忘れる             2
用事を忘れる             3
地図が読めない            2
道を間違える回数が多い        1
電車の乗り換えなどが上手ではない   2
聴覚、触覚、嗅覚などが過敏      3
すぐに怒る              2
思ったことをすぐに口にする      1
お金の管理が苦手           1
こだわりが強すぎる          2
変化についていけない         2
予定を立てられない          1
右と左がわからなくなる時がある    2
集中できない時がある         2
癇癪を起す              1
返事ができないことが多い       2
概略、概念がわかってないことが多い  1

などなど、数え上げたら、たくさんあるかもしれませんが、これらを自分でレベルを考えて、行動基準表を作っておき、お仕事などに活用するのもいいかもしれません。


グループ準備項目

 お仕事、趣味、お出かけ、習い事、子供のこと、日常のこと、忘れないように連動項目メモを作っておいた方がいいようです。

 発達障害の人は、連動で考えられず、天気の配慮、服装の配慮、持っていく金額のこと、持っていくカバンの大きさ、前の日までに用意しておかないといけないもの、これらがいくつも抜け落ちるという人がいるようです。症状が出ていない「周辺者」は、これらをどうしているかというと、ほとんどが頭の中で整理して、前日までに鞄に用意しておきます。ところが、ADHDは、「あ、用意してない」という人もいるようです。前の失敗を忘れて、何度も「あ、用意してない」「忘れた」「それよりスマホがない」「鍵が所定の位置に見つからない」なんてことだらけで、朝は戦争!なんて人もいるようです。

 頭の中にごちゃごちゃするのであれば、グループ項目をノートに書いておいて、あらかじめ見ておくのが安全です。
 「この用事だと、こういうものが必要になる」「気を付けないといけないこと」をまとめて書いておく。こういうのも、自分用マニュアルに加えてもいいかもしれません。

 買っておいた方がいいものなども書き入れておくと便利のようです。

電子ツール活用

 ICレコーダーで、カレンダー連動になる技術があったらいいのにと、つい思ってしまいます。発達障害者の症状を読むと、判断が無茶苦茶、時系列で考えられない、機嫌が守れない、忘れることが多数ある。これらはコンピューターでのカレンダー機能を使えたら、とてもいいのですが、グーグルカレンダーなどで、自分で入力して、グループ共有するという方法もありますが、それができる人ばかりではありません。家庭用に、もっと簡単にできるものがあったらと感じました。
 一つ一つの事項に、タグをつけて、関連付けし、日付連動で、お知らせ機能、それが終わったら、自動廃棄、なんてシステムがあればいいのですが、人間はそれを自力で自分の脳で考えていかないといけません。メモ帳や電子ツールで、管理はできますが、それを使いこなすのは、「当事者」になります。
 年配者が増えてきているのだから、忘れてしまうということも増えるし、カレンダー遠隔操作機能が家族間でやり取りできたら、とても、助かるとは思います。レコーダーに吹き込み、もしくは、自分で入力するときに自動タグ機能があったら、とても楽になります。

 そんな夢のツールがいつかできるかとは思いますが、現在は、ある程度は自分で管理しないといけません。アナログで管理するには、カレンダーに書き込む、家族間連絡板を作る、忘れないように覚書の板を作っておく必要があります。ホワイトボードに書き込んで、これらを消していき、忘れないように、いつでも見られるように工夫が必要になります。ここに、タグはつけられないのであれば、色分けして、黒板ならチョークの色を変える。ホワイトボードならペンの色を変えて分別していく必要があるようです。

 シール、色分け、ホワイトボード、メモ帳を活用して、やっていくしかなさそうです。これらを「当事者」だけでやると大変になるので、「周辺者」も確認してあげることも必要のようです。

精神科医も詳しくない?

 次々と、法律が変わり、発達障害の基準が変わっているため、大人の発達障害が発見されやすくなってきたようです。
 でも、もともと、発達障害は子供が中心になっています。そのため、発達障害に詳しいのは、子供相手の専門医が多いようです。子供のことを長年診療してきた人が、大人向けの本も書いているというのが多いようです。
 精神科医なのに、診断だけ出して、その後のケアがなかったという書き込みがインターネットに多いのも、そのせいです。ところが、大人の発達障害のほうも、子供のほうも、障害の症状が重い人なら、新規受付していますとか、診てもらえるまで数か月待ちなんてのも、ざらだそうです。
 詳しくない精神科医に診てもらっても、診断が正しいかどうかもわからないし、もちろん、カウンセリングもできないし、デイケアもない病院も多いので、最初に病院選びから苦労するようです。

 子供が学校に勧められて、病院に行ったというケースで、大人も見つかった場合は、大人と子供と一緒に家族全体で、お世話になっているというのも多いようです。

 発達障害の施設も、法律ができたために、新たに作られたというのも多いようです。当然、そこに所属している職員全員が、症状に詳しいわけがないようです。ずっと、勤めている人ばかりではないと考えて、自分から、症状を勉強して、自分で、症状の説明をして、知りたい情報を手に入れる努力が必要になるようです。

 行政も、精神科医も、看護婦も、発達障害の症状に詳しくない人かもしれないと思いながら、やり取りしたほうが安全のようです。

初めてやることは、マンツーマン指導が必要

 発達障害だとわかった後、「この程度はできるよね」というのが難しいそうです。理由は、ちょっとでも違うと、「???」となるからだそうです。そして、言われないと、そのままにしていくらしく、わからないままにしておしまいにする。注意されたら、「なんで、この人、怒るのよ」となるらしく、周りの人はわかっているのに、本人だけが気づいていない状態になるようです。

 これを防ぐには、日常生活で初めてのことは、すべて研修が必要な人なのだと思い、見本を見せる必要があるようです。そして、見本を見せるにしても、一つの工程を見せたら、すぐにやってもらうということを繰り返さないと危ないらしく、一度に全部見せても、覚えきれないらしいです。覚えられる発達障碍者の場合は、いくつかの工程を連続で見せて、メモを書いてもらうということを繰り返して、作業工程を覚えてもらうことになります。そして、次にやるときにも、そばについていて、覚えているかどうかの確認作業が必要になります。

 でも、すべてのことにマンツーマン指導をしていたら、大変になります。そのため、仕事現場では、発達障害の症状をカミングアウトしているのなら、ジョブコーチをつけてもらうのが安全のようです。症状を知っている人が仕切ってくれた方が、仕事でのミスが減ります。

 これが家族になると、子供が発達障害だと、「当事者」は療育を、「周辺者」はペアレントトレーニングになるようです。ところが、大人だけが発達障害であるとなると事情が変わってきます。「当事者」は、SSTのセミナー、デイケアに通い、「周辺者」は、民間のコーチスタッフをつけるとなると、相当お金がかかるようです。
 行政主導で、教育コーチ、ファミリーコーチが必要なのではないかと、思いますが、まだまだのようです。発達障害のグレーゾーンの人も、安心して、低料金で利用できるファミリーコーチ制度ができたら、もしくは、学校にそういう指導するコーチが短期間だけでも派遣してもらえたらと思いますが、実情はまだまだのようです。

定型発達は遠慮してます。環境づくりは自分で

 発達障害の人に症状があっても、家族以外では、会社、公共の場所に周りにいる「周辺者」は、言いづらいです。遠慮しています。けれど、ケアレスミスを毎日のように繰り返されたら、さすがに、「ほかの人がやったほうが早いので、あの人の分も、周りでサポートしてください」という上司や同僚の意見になっていくことがあります。ここまでなっても、発達障害の症状が出ている「当事者」が自覚をしていないと、「とてもじゃないけれど、言えない」「いくら言っても、理解してくれないから、あきらめました」「私たちがやったほうが早い」という状態になってしまうこともあるようです。

 「私は発達障害です」と障害を明らかにして働いている。障害者枠で働いている場合でも、周りの症状が出ていない「周辺者」たちは、「どうやって、声を掛けたらいいの?」「どんな環境づくりが必要なの?」「なんで、ミスが多いの?」「どこまで頼めるの?」と思っています。そして、遠慮をしていることも多いようです。そして、周りの人からいきなり、「ここが困るんだけど」と言われて「ひどい、傷ついた」とネットで書き込みしている発達障害者がかなり多いことに驚きました。説明文を読んでいると、定型発達の人は、別に間違ったことは言ってないのです。症状をわかってないのですが、「私に配慮して」「できないのだから、あきらめてよ」「わからないよ」というパターンに分類されます。「配慮して」というのは「具体的に自分から提案する」しかないと思います。もしくは、ジョブコーチをつけてもらう。これが一番安全のようです。ジョブコーチをつけてもらえない場合は、「わからないよ」「できないのだから、しょうがないじゃない」では、通用しませんので、具体的に、何がわからないのかが、お互いに、「え、なんで?」となっています。職場の人は、「発達障害です」だけでは、何をどうしていいかわからないし、症状の勉強を、その人のためにすることはほとんどありません。大まかな症状を知っている程度です。そのために、自分の取扱説明書を、一枚の紙に用意して、お願いするしかないかもしれません。「5W1Hを省かれると、わかりません」「日時など、忘れてしまうことがあるかもしれません。もし、忘れていたら、指摘してください」「作業工程は2つまでしか覚えられません」など、具体的に書いてお願いしておくのもいいのかもしれません。でも、これらは、発達障害であることを、職場にカミングアウトしている場合になります。

 職場に内緒にしている人の場合は、自分で、机の周りに、忘れないように「5W1Hを忘れない」「確認をしよう。決定が間違っていないか? 途中経過は大丈夫か? 連絡し忘れたことはないか?」などの紙を貼っておけば、それに気づいた人がフォローしてくれる、もしくは「この人は、こういう部分が苦手なんだ」と気づいてくれるかもしれません。ミスが多いのなら、隠してもしょうがないので、そういうのを自分で努力して見せていく、自分でやっていくことをしないと、「周辺者」は遠慮をして、「ミスが多いけど、いくら頼んでも直らない、困った人」としか思わず、具体的にミスを減らす環境づくりは進まないようです。

1つずつこなす練習

 大人になったら、説明をまとめてされます。一つの話に重要なポイントや作業工程がたくさん含まれていて、一度に覚えきれない場合もありますが、とりあえず、ざっと説明しているだけで、その後、「わからなかったら、聞いてください」というのはよくあります。これが、発達障害の人には、ものすごく難しい人がいるようです。個人差がありますが、作業工程がいくつもあると、1個までしか終えられず、「あと、どうやるんだっけ? 自己流でやっちゃえ」という人がいるそうです。当然、それでうまくいく場合とは限らず、大問題になる。もしくは、毎日のようにミスばかりしていて、周りに怒られまくる。「あの人、なんで、毎日、失敗するのだろう?」これが、発達障害の人は、何年も同じ失敗を繰り返していくことがあるようです。
 当然、お仕事の現場でやってしまうと、「ほかの職場へ異動」とか、本人が落ち込んで、仕事を変わるとか、そういうことになってしまうようです。

 これらをどうするかというと、作業工程表を自分なりに、メモをするしかなさそうです。そして「私は失敗が多いので、メモを作ってやっていきます」と周りに頼んでおくのも必要になります。低姿勢に頼んでおいた方が安全です。そうすると、覚えきれない性質だとしても、周りは大目に見てくれることもあるようです。自分で何とかやって行こうという気持ちがあるのならば、周りの人が、職場環境を考えてくれる人も出てくるかもしれません。上司に、「君は失敗が多いから、考えないといけない」と言われて、「ひどい」とネットに書き込みをしていた発達障害の「当事者」の人がいましたが、この場合、声のニュアンスや、相手の様子で、定型発達の人は判断しています。発達障害であることをカミングアウトしたあとなら、「具体的に、直していきたいと思っています。がんばりますので、問題がある部分を具体的に教えてください」と、聞いていかないと、上司や同僚は、遠慮していて、「どこまで言っていいの?」となっています。理由は、定型発達の人は、言いにくいからです。

 一つ一つこなす作業を繰り返して覚えていくことを続けたら、できることも増えるかもしれません。

「まず、一つを確実にこなそう。次の作業は、確認して進めていこう」という方が安全になるようですが、脳は「一気に片づけたい」と思っているので、呪文を唱えて、「一つずつ」と言いながら、作業工程を進めることを、自分で試してみるしかないそうです。

 何度も意識しながらやっていくと、覚えておける作業工程が増えていき、「一度に2つまで、3つまで覚えておける」ということになるかもしれません。ここは個人差があるので、ずっと、そのまま覚えておけないという人もいるようです。

「まずは、一つを確実に」「一気に聞いても覚えておけない脳なんだ」と思いながら、やっていくのが安全のようです。

家庭の報連相

 報告、連絡、相談。ビジネスの本はたくさん出ています。ところが、家庭のほうは、意外と少ない。発達障害の場合は、ここでのつまずきが多いそうです。

報告
 子供のこと、学校のこと、職場、金銭、振り込み、年賀状、お中元、お歳暮。冠婚葬祭。などなど、たくさんの報告が必要になりますが、これらはできても、それ以外のことで、細かい部分で、「え、それを、報告がいるの?」と思っている、発達障害の人がいるようです。報告してほしい場合は、「周辺者」が発達障害の「当事者」に聞く方が安全のようです。

連絡
 こちらは、たくさんの問題が起きやすいようです。振り込みを忘れた。重要書類を出すのを忘れた。お金をおろしてほしいというのを、直前になって言ってくる。こんなことだらけのようです。これらは、目につくところに重要メモ板を作っておいて、書きだして、消すということをするのがいいようです。家庭内連絡版は、必要不可欠のようです。

相談
 こちらは、重要なことを勝手に決めてしまう発達障害の人が多いので、「当事者」にいくら言ってもわからないので、「周辺者」が機転を利かして、聞いていく必要があるようです。一緒に考えるというのがそもそも難しいので、ここの部分を、どうするかは、個人差があります。何度も会話をして、よい方法を模索するしかなさそうです。

 ほうれんそう。より、最近は、「確認」のほうが重要ではないか? と言われ始めているようです。確認したい場合は、連絡板に書き出すか、確認板を別に作って、思いついたときに書き出しておくというのが安全だそうです。日時、場所、用意するものを一緒に書くのが安全だそうです。理由は、発達障害の症状によって、「言い忘れ、聞き忘れが多い」からだそうです。「どうせ、わかっているだろうからという事柄を省く性質がある脳」なので、「場所を省く」「日時を省く」「要るものを省く」「関係ある事柄を、言い忘れる」「関係がある事柄があっても、それが関係があると気づけない」など、たくさんの落とし穴が存在します。この場合、「周辺者が補完して聞く」ということをしないと危ないそうです。

 これらは、視覚化することによって、発達障害の人にもわかりやすくなります。メモ板、作業工程表、日程表、など、発達障害の「当事者」の症状に合わせて、書き方を工夫したほうがいいそうです。日時は重要です。

 発達障害の症状によって、これらをどうするか、その人ごとに変えていく必要があるようです。

報連相

 発達障害の場合、報告、連絡、相談、が極端に少ない人も多いようです。脳の錯覚によるものです。一人ひとり症状が違いすぎるようです。理由は、育った環境と、本人の性格によるものが大きいようです。

 報告で、内緒にされたら、どうなるか? 連絡を密に行った方がいい場合、必要がない場合、このあたりのことは、そばにいる人の真似をして覚えていきます。ところが、ここで細かい微調整は、ASDだと難しいそうです。上司や、同僚、グループ内の人の性格に合わせて、変えないといけません。周りの人が親切と限りません。手伝ってもらえるケースのほうが少ないと考えたほうがいいと思います。理由は、発達障害の症状から来ます。言っている言葉、行動が、「???」という人の場合、周りの人は、そばに寄らなくなるため、そのままになります。取り返しがつかない状態の時には、もう、遅いという状況が起こります。理由は、日本人は暗黙の了解の時、いちいち説明しないし、確認しないし、年齢レベルのことはできると判断して、物事を勧めます。

 発達障害の人は、服装、態度、言葉遣いをTPOに合ったものを考えるのが苦手です。ASDは特に、ちょっとでも違うと、わからないらしく、「重要書類だからコピーはだめ」と言われたら、スキャンも、人に見せてもいいと勘違いするという人がいたそうです。全て書いておかないといけないというのをすると、文字数に制限がある場合は、書かないために、伝わらずに、「そこから説明が必要なのか?」となるようです。

 発達障碍者が間違えているのは、意外と、「最初から」というケースが多く、わかってないまま進めて、失敗しているのに、そのまま言わなくてもいいやと勘違いして、進んでしまい、取り返しがつかない状況になって、思いっきり怒られたと書かれているケースが多数あります。会社での仕事上の立場で、あまり良いと言えない職場に回されているケースが多い。職場が変わる程度ならいいですが、怒鳴られ続けて、心の病気になってしまいましたとか、もっと悲しい結果になっていることも多いようです。

 小さいころに障害がわかり、療育を受けていた場合、離職する率が低いと言われているようです。大人になってからだと、脳が出来上がっており、なかなか、改善されないようです。病院に行き、職場復帰まで数年かかりましたというのは、大企業とか、行政関連の職業の人に多いようです。それより下のランクだと、そんなことを職場がしてくれることはないようです。

 大学でも発達障害の相談室があるところもあります。全国規模で、職場、学校、医療現場、行政関連施設に、臨時でもいいので、相談室が設置されるようになれば、多くの人が救われると思います。先生も上司も、部下や生徒のことは、内緒で相談はできません。それらを相談しやすい環境にしなければ、状態は良くならないと思いますが、今はまだまだのようです。

 ほうれんそうの本は一般人向けにいくつか出ているようです。これらを参考に、苦手な方は、行動を考えてもいいかもしれません。発達障碍者用のSSTのマニュアルにもあります。自分に合った本を調べて、考えてもいいかもしれません。

発達障害者が夫の場合、決めるのは妻

 発達障害者が妻の場合、夫は割り切ることができるケースだと、あきらめが早いひともいるようです。夫は仕事を中心に考え、妻との家庭生活に重きを置かないと、気持ちの切り替えが楽になり、問題が起きても、それなりにやっている。というケースもあるようです。重症すぎると、さすがに難しいケースもあるようです。子供も発達障害が出ているかどうかで違っているようです。

 ところが、発達障害の症状がある人が夫の場合は、大変になります。本来は、夫がやっている役割を、妻が一人で考えないといけないからです。重要な決定事項を考えて、判断して、フォローもして、サポートもして、夫の仕事のことも考えて、までやっていて、そうなるとパンクしやすいようです。だから、カサンドラ症候群になるのが妻が多いことになります。
「頼りたいと思う場面で、ことごとく裏切られる」というのだけでも、かなり悲しくなるうえに、さらに失敗を重ねる。それのフォローをし続ける。さらに、冷たい言葉を言われたら、気持ちの維持は大変になります。病気になっても「痩せてよかったね」「食費が一食分減って家計が助かるね」と平気で言う人までいるようです。こんなことを言われたら、ますます、「嫌だ!!」となります。

 症状が軽いかどうか、発言がひどすぎないかどうか、金銭面で大丈夫かどうか、決定事項はどう決めて行けばいいかで決めたほうがいいようです。

発達障害の夫とやっていくかは、
「あなたが決断して、その人をフォローし続ける覚悟がありますか?」というのが重要になるようで、一般的には、「え、一般的な結婚をイメージしていたから、そんなのないよ!!」と思っていたら、もう、難しいようです。これを、「受け入れるわ。夫ぐらいは、私が受け止めてあげるわよ!!」という女性なら、大丈夫のようですが、こういう人でも、子供には影響が出て、「やっぱり無理だった」というケースも多いようです。

「決めるのは妻」になります。その覚悟を一生受け入れるか、それとも離婚か。経済的には、子供にまで発達障害が出ていたら、「あきらめます。夫は財布です」と言っていた奥様も多いようです。この覚悟ができるかどうかが決め手になるようです。

交渉は自分で

 発達障害の「当事者」と周りにいる「周辺者」は、色々な場所で苦労します。障害があると配慮してもらった方がいい場合の交渉を自分で行わなければならないからです。
「症状名だけで理解してもらえない」と言う実態が、学校、行政、病院、職場で起こっているようです。

「お医者さん、看護婦さんなのに、発達障害の症状名を告げてあるのに、理解してもらえなかった。それでも、医療従事者なの?」と言う書き込みがあり、不思議に思い、調べてみたら、お医者さん、看護婦さんが勉強した時の書かれていた症状の内容は、ものすごく少ないため、専門の診療科が違えば、「何も知らない」と言うこともあるようです。
 学校も同じで、発達障害の児童を扱ったことがあっても、症状に個人差があり、実際に働きかけていかないと、動いてもらえないというのが実情のようです。

 こういう部分で、補助的に説明してもらえる人がついてくれるということはなく、すべて自分で、説明していかないといけないようです。
 説明の仕方がよくないと配慮はしてもらえないと思った方がいいので、自分で、メモを書いて準備をして、それらを渡すなどの方法を取らないと難しいようです。「相手も専門家だから、知っているだろう」という過信は通用しないらしいです。

病院に行く前の下準備が必要

 たくさんの書き込みで思うのは、「受け身だと損する」と言うことです。ある程度の知識を得て、自分で考えて、働きかけないと、お医者さん、看護婦さんが無理解で傷ついたという書き込みが多数みられます。
 
 「お医者んなのに、なぜ、病気に対しての知識が不足しているの?」「学校の先生なのに、なぜ、無理解なの?」「発達障害の支援の職業についているのに、なぜ、わかってくれないの?」こういう書き込みが多数みられます。お仕事の現場でも「私には、無理だと教えてあるのに、なぜ、怒られるの?と言うものもたくさんありました。

「配慮してください!!!」とたくさん書き込まれていますが、ほかの病気の場合だとどうでしょうか? 病院、看護婦さん、医者さんによって、対応なんて、ものすごく違うのではないかと思います。学校の先生でも同じです。たくさん話を聞いてくれる先生や、いっぱい働きかけてやっと動いてくれる先生、こちらも個人差がありすぎるのではないかと思います。この部分、障害がない人はどう思っているかと言うと、「どんな場所でも、理解してくれる人、親切な人もいるし、そうでもない人、わかってもらえない人がいる」と感じています。そして、できるだけ自分で、動いていかないと難しいことを知っていますから、ある程度、状況を理解して、勉強して動いていくことを、普段から心掛けています。

 「とりあえず、行けば、相手が何とかしてくれるでしょう」と言うのは、親切で、障害を理解してくれるベテランの人に出会ったら、そういう状態になるかもしれませんが、こちらから、聞きたい情報を手に入れるための準備は必要のようです。

 ドクターショッピングは、一般的には嫌がられます。でも、発達障害の場合は、評判を聞いても、自分の状況に合っている先生とは限らないので、実際に行ってみて、合わないのなら、変えたほうがいいと言われているようです。

 ウェイクスラーの検査費用も公的病院とそうじゃないのと開きがあります。カウンセリングを行っていない精神科医に行っても、カウンセリングを求めても、難しくなります。先生に自分から「気分が落ち込みやすく、カウンセリングを受けたほうがいい気がします。紹介してもらえませんか? 保険の範囲で受けられませんか?」と聞いてみたり、「私は、通う時間もお金も、さほどないけれど、記憶に問題が出ている気がします。自分の行動の目安が欲しいので、作業記憶や行動がどの程度かわかりたいので、検査をお願いできませんか?」とか、「お仕事で、私は困っていませんが、周りの人に勧められてきました。通院が必要でしょうか?」とか、そういうことを自分から聞いていかないといけない。そのために、聞く内容を、あらかじめ考えるには、症状の勉強、ほかの人の状況、実際の行政の補助はどの程度か、診断を受けたら、メリット、デメリットはどうなっているか? それらを調べておいた方が安心です。それらは、自分でやっていかないと、難しいようです。

 発達障害に限らず、どんな病気になっても、行動の目安が欲しいと思うので、できるだけ下準備で、ある程度の知識を入れておき、どんなことを先生や、行政の人に話したらいいのかの学習のために、自分で動いていく必要があるようです。

ウェクスラー式知能検査

 発達障害の検査でウェクスラー式知能検査が一番有名のようですが、これらに合わせたマニュアル本や、実生活レベルに合わせたマニュアル本があったらいいのにと、書き込みを見て、感じました。お医者さんに解説してもらうのがいいようですが、お医者さんに解説してもらえなかったという書き込みも多いようです。

ウェイクスラー検査は、タダで受けることができましたという人もいるようです。総合病院などの公的機関だと1350円の保険適応で受けられるようです。ただ、診断書、報告書だと、別途必要のようです。民間病院は一万から二万円かかるようです。発達障害者支援センターに相談したほうがいいようです。

言語性IQ

 知識 ・類似・単語・理解 ・算数・数唱・語音整列

動作性IQ

 絵画完成・絵画配列・積木模様・記号探し・符号・行列推理・組み合わせ

 で診断されます。この数値、発達障害の診断を受けた人でも、開きがあるそうです。知能が130の人から80ぐらいの人まで、存在しています。「小さいころに、勉強がよくできた」と言う解説をされている本も多いようです。でも、「勉強は、さほど」と言う人もたくさんいるのが現状だそうです。

 実際に知能、動作性に開きがある人が同じデイケア、SSTの講習を受けたら、どうなるかと言うと、数値の低い人に合わせて進めるので、時間内に終わらなかったというのが多く、「結局、通うのをやめて、自力でやっています」と言う書き込みもありました。

 知能指数が高くて、さらに高学歴でASDの症状が強い人たちのブログを読むとほとんどが、自分でマニュアルを作り、自分の説明書を作り、自分で環境づくりをして、自分で周りの人に頼み、自分で進んで学びに行っているようです。でも、症状を積極的に直せる人と言うのは、性格もあるし、症状の程度によるようなので、そこまで取り組めない人や、そもそも、「何が問題なのかわからない」「怒られているのは知っているけれど、直したいと思ってない」「治したいけど、どうせ、無理だろう」とか、そういう人だと、「そんなに怒ることないじゃないか」と言う感情処理の勉強すら、わからないようで、大変のようです。

 ADHDの症状が強い人は、その辺は、面倒だからと言うことで、漠然とした形で、なんとなく取り組む人のほうが多いようです。

 レベルに合わせたマニュアル本があったら、自分に合わせた取り組みがしやすいですが、発達障害の場合は、お医者さんもマニュアル本も自力で見つけて、考えるしかないようです。

つらくなったら子供の状況を見てみよう

 大人の発達障害だけを調べていると、できないことが多い発達障害の「当事者」も多いようです。書き込みの中に「俺は数を数えているうちにわからなくなるため、単純作業さえ、できない」とか、「聞き取れない」とか、たくさんあります。症状が大変な理由は、小さいころに、適切な言葉で、訓練してもらえる環境になかったからなのが、一番の原因らしいですが、発達障害が注目される前に子供時代を過ごしてお大人になってしまったケースはたくさんありすぎて、大人になってからも、子供の症状が残っている人と言う人と、症状が軽い人が同じデイケア、SSTに通っていて、進まないというのも書き込まれていました。

 症状のレベル分けが必要なのではないかと思います。自分がどれをどの程度できるかの行動基準表が、作成できたら、楽になるのではないかと思います。そういうマニュアル本やマニュアルサイト、行動基準表作成ツールソフトがあったら、どれだけ助かるかと考えます。

 このケースの場合、できないレベルが子供のものであるならば、子供の状況を確かめたほうがいいようです。お母さんたちも日々悩み工夫していて、その状況を確かめると、あまりに過酷で、行政のバックアップがあっても、それを利用すらできない状況だったりして大変のようです。親が非協力的で「お前なんて、無理だね」と子供が言われて傷ついていたり、差別にあっていたり、そういうのを確かめて、自分と同じように苦労しているというのを見ると、頑張ろうという気持ちになれるかもしれません。

 症状レベルを分けて、学校でのバックアップ体制が取られ、スクールカウンセラー、ソーシャルワーカー、ヘルパーで、発達障害に理解のある人の専任がいたり、仕事場で、一年に一回でも、仕事での悩み相談室が開かれたり、そういうのがあるといいかもしれません。

 グレーゾーンの人の救済措置がまだまだのようなので、子供の状況も大変のようです。

支援疲れになったら

 発達障碍児のお母さんに、多い現象のようですが、「もう疲れ切りました」「助けてください。限界です」と言うコメントがたくさん書きこまれ続けています。
 理由は、子供の行動には、ご両親が責任を取らないといけないため、逃げられない。相談はできても、子育てをして、療育を家庭でも、していかないといけないから。父親と違って、子供に密接にかかわるお母さんは、疲れ切るようです。

 ヘルパー派遣、一時預かりのショートステイ施設が、児童にはあります。日本ではベビーシッター制度が、まだないようですが、欧米では、ベビーシッターに預けることに抵抗が少ないようです。ベビーシッターを行政が講習会を開き、登録制にして派遣するのが一般的になると助かる人も多いし、さらに発達障碍児専用ベビーシッターがいたら、さらに助かるような気がします。

 大人の場合も同じく、発達障害の「当事者」の周りにいる人、家族、同僚、お友達、グループで一緒に行動する人などは、大変になります。理由は意思の疎通が図れないから。だけではないようです。自己主張が強く、行動がはっきりとしていて、トラブルだらけで、なのに自覚がない。ここが大変になるようです。
 自覚があるのなら、自己主張はしないので、トラブルの数は減ります。つまり、自覚のない、グレーゾーンの人のケアは、まだまだされていないので、周りの人が疲弊し続けるようです。

 グレーゾーンのケアをどうするかは行政が考えてもらいたいところですが、発達障害の子供のことを考えようという動きが出て、その後、大人のほうも同じように考え始めて、それから、グレーゾーンの人もケアしては、と言う動きになるために、まだまだのようです。

 グレーゾーンは、大変です。診断が出ないケースも多く、お薬もなし、デイケアの費用も掛かります。SSTを受ける費用も自力。それだと、お金も気持ちも続くわけがない。

 グレーゾーンへのケアは、動画配信を使って、指導内容を一般開放してもらうという方法が一番、安いし手軽になるように思います。グレーゾーンですから、指導してもらわなくても、家族の補助があったら、理解できる症状レベルの人も多いからです。そのほか、自分に合ったマニュアル作成ソフトの開発、自分に合った行動指標の作成、これらがインターネットでの配信なら、可能な気がします。

 グレーゾーンの人へのケアは、インターネットの活用で、いくらでも費用をかけないで、できるような気がします。グレーゾーンの人の「周辺者」のマニュアルも動画配信や、マニュアルダウンロードが可能な時代になったら、いいなと希望しています。

分かった、分かった!! 一時間後に説明できるか?

 ADHDの人に多いのが、「わかった、うん、うん」この返事、危ないそうです。理由は、「なんとなくわかった。理解したよ」と本人が思っているだけだから。一時間後、別の人に、ほとんど説明できなかった。と言うケースも多いそうです。聞いているだけなら、分かったつもりでいいですが、「この人が中間地点の人で、次の人に伝達が必要だと、どうなるでしょうか?」を、わかってないまま、返事をするADHDの人は多いそうです。「だって、理解したんだから。言うのを忘れちゃうから、しょうがないじゃない!!」と怒り出すのもADHDの人に多いです。これを減らすには、どうするか?

「中間地点の役割を減らす!!」のが一番安全だそうです。どうしても、その役割をしないといけないときは、「メモを書いてもらって、渡す」方法を取るか、「相手に了解を取って、レコーダーで録音する」しかありません。伝達は、短い文章でお願いするしかありません。長い話をどこまで覚えておけるかは個人差があるそうで、ADHDの人の力量にかかっています。でも、この力量を「私ではわからない」と言う場合は、練習をするといいそうです。何の脈絡もない文章を話して、ポイントが抑えられるかのテストをする方法です。これができないのであれば、普段から、話は整理できません。お仕事や大事な書類提出などだと大変なので、補助をお願いするしかなさそうです。

 この環境づくりは、一人一人違います。まず、力量をわかり、そのあと、環境づくりをして、

メモで渡してもらう
レコーダーで録音する
短い文章だけにしてもらう
相手に復唱してもらう
自分も重要ポイントを復唱する
覚えられないのなら、最初から、そんな役割は引き受けてはいけない

など、工夫するしかなさそうです。

テスト方法

「佐藤さんが、スーパーに買い物に行ったけれど、お財布を忘れて自宅に戻りました。途中で、道が混んでいて、15分遅れて、到着しました。財布の中身が3000円しかない。それで、銀行に寄ろうとして、カードも忘れて、お金が下せませんでした。途中のコンビニでジュースだけ買いました。そして、自宅に戻りました」

「さて、佐藤さんは、どこに行こうと出かけたでしょう? 財布の中身は、自宅に最後に戻ったときはいくらでしょう?」

 銀行、コンビニ。3000円は不正解。スーパー。2800円ちょっとが正解です。ジュース代はわざと金額を書いていません。(ジュース代100円以上と仮定しています)


テスト2

「あなたは不注意が強いタイプのADHDです。日常から、メモを取ることを忘れないでください。枚数を数えるのは大丈夫そうですが、鍵をかけ忘れるのは、忘れないでください。電話を聞きながらメモは取れるようですが、誰かに電話をかけるのを忘れるのは、注意してください。お金の管理はできるようですが、使いすぎるのは注意してください」とお医者さんから注意されました。

「さて、お医者さんは、あなたに、何を忘れないようにと言ったでしょう?」

枚数を数えられる。電話の聞き取りはできる。お金の管理はできる、お金を使いすぎるというのは不正解です。メモを取ること、鍵をかけること、電話をかける約束。が正解です。「忘れないように」なので、「注意してください」は含まれません。

 会話ではあいまい表現がたくさん出てきます。細かい部分のジュース代は金額を省いたり、「忘れないように」と言われたというので、「注意してください」まで含めてしまう人なら、学生時代のテストで、問題文を読み飛ばしたりしてケアレスミスが多かったかもしれません。大人になってから、そういう部分でのケアレスミスが起こることを想定して、誰かに聞いたことを、違う人に説明ができるかどうかで、判断してみてください。

定型発達はミスしても許されているのか?

 子供の発達障害の本を読むと、たくさんのつまずきポイントあるようです。発達障害の症状が出ていない、「周辺者」たちは、自分の小学校の時に、躓いたことの記憶すらありません。理由は、なんとなく身についているから。それが、ずっと身につかないまま「なんで?」と言う部分が、いくつも残ってしまうのが、障害になるようです。

 よく書かれているのが、「定型発達も失敗が多いのに、なんで、私たちだけ言われるのよ」と言うものです。実際に、これに対しての、定型発達の意見は、「定型発達同士でも思ってますが、流してます」と言うものが多い。理由は、失敗しても持ちつ持たれつの範囲なら、助け合えるから、流す。助けてもらいたがる定型発達だと、助け続けるということはしません。そして、定型発達の人はよほど鈍くない限りは、助けてもらえなくなると、空気が読めるために、遠慮します。この「遠慮」と言うのが、わからないのが、発達障害に多いのです。空気は出ています。表情にも出ています。でも、これが読めないのがアスペルガーの人に多い。ADHDのほうは、相手の表情を見てません。自分の気持ち優先です。ここの違いのために、発達障碍者だけ、言われやすいという現象になっているようです。気づけないで遠慮しない定型発達者は、ここで、違う人に助けを求めます。ところが発達障碍者は、気づけないけれど、同じ人に頼み続けるだけじゃなく「なんで助けてくれないのよ」と言い張ります。ここの部分が定型発達の人は、いい加減に、気づいてよ。と思っていても、助け甲斐がないのがアスペルガーとADHD。お仕事に影響が出る同僚、上司、部下だと、さすがに、毎日のことになるので、「勘弁してよ」となりますし、家族だと一生のお付き合い。もうさすがに「付き合いきれない」となるようです。このため、症状だけで「あの人は発達障害?」と言われやすい現状となっています。

 実際のASD、ADHDの人は悪気はなく、遠慮してほしいというのが気づかないだけですが、「遠慮してほしい」と言う言葉をはっきり使わないで、意思表示するのが日本のやり方なので、「???」となり、それを長年続けてしまうために、失敗を怒られやすい。そういう状況です。許されなくなるのは、「遠慮できない」回数によるようです。

先延ばし癖

 ASDとADHDの両方に、先延ばしにしてしまうというのがあるみたいです。理由は違います。ADHDは、先延ばしにするのは、面倒だから。「あとでいいや」と思って、本当に忘れてしまうからだそうです。ところが、ASDのほうがやっかいで、「何をどうしたらいいの?」で、止まってしまうからだそうです。

 ADHDの場合は先延ばしする場合は期限を決めて、やってもらうように持っていくのがいいようですが、それでも「今、やらないといけないの?」と、永久にやらない人もいるらしく、周りは大変だという書き込みが多いです。少しでもやってくれる人ならいいですが、そもそも「俺の役目か?」と思い込んでいるケースもあり、一般的にはあなたがやるんだよと言っても「それぐらいいじゃないか」と言って、そのままにして、周りが代わりにやっているというのも多くみられるようです。

 厄介なのがASDの先延ばし。こちらは、そもそも概念がわかってないので、説明が理解できなければ、やりませんし、理解するのも、そもそもできない人もいるらしく、大変だそうです。理解するまで二週間、一か月、下手したら、何か月もなんていうのもあるそうです。理解してもらえるまで、説明をし続けるうちに、それを繰り返すうちに、飽きてきて、手助けする方も、ASDの当事者も、「面倒だ」になっていくそうです。

 先延ばしをする人の代わりに、なってはいけないと言われています。理由は、「やってもらう人がいたら、永久にその人にやってもらえばいいや」となっていくからだそうです。

頭ごなしの人にわかってもらうには

 発達障害には個人差があります。症状が出ている「当事者」と、障害の症状が出ている人のそばにいる「周辺者」の両方に受け止め方が違います

戸惑う人
 
 大半がこれになります。とりあえず、ASD、ADHDという症状名では、具体的なことがわからず、戸惑うだけです。この中でも、理解してくれそうな人には、少なめに説明してから、様子を見て、さらに理解してくれたり協力してくれるかどうかを判断して、説明の量を増やしてくのがいいようです。

どちらでもない人

 そもそも、あまりかかわりたくないというのが、ASD、ADHDの症状の人の周りの人の気持ちになります。これが基本なんです。悲しいですが、一般感覚では、危なそうな、訳が分からないものに対しては、怖いし、よくわからないし、とりあえず、様子を見よう。このタイプの人も多いです。このタイプですと、そこまで親切ではない人も多いです。愛想はいい人も含まれますが、口だけで、手伝ってくれないという人も、ここに含まれることが多いです。協力してもらえたら、少しは話を聞いてくれたら、ラッキーだぐらいに思っておかないと、大変になります。

無理解な人。非協力的な人
 
 このタイプも少なからずいます。インターネットで、親が理解してくれません。夫がわかってくれません。だから、離婚しました。なんて書き込みが多いのも、このタイプです。このタイプは、そもそも自分の考えに頑固な人も多いので、説明すら受け付けてくれない、もしくは持論が正しいと思い込んでいて、医者の話も聞かない人、お医者さんの話を聞いて、少し受け入れる人、さまざまのようです。根気よく説明して、何とか理解してもらいたいと思っているのなら、少なめに説明して、様子を見ながら、気長に説得を続けるという方法を取って、何年もかかって、少し受け入れてもらえたというケースもあったようです。このタイプの人に、「当事者」が説明するのは難しいので、その場合は、精神科医やカウンセラーなど、説明をお願いしたほうがいいかもしれません。「周辺者」が説得する場合は、具体的な根拠を示さないと難しいため、きちんとした本の事例を示して、それで、見てもらう方法を取るなど、相当、苦労することを覚悟したほうがいいようです。

 発達障害の場合、最初からわかってもらうというのは、まず、できないと考えてスタートしたほうがいいようです。徐々に段階をあげて、最初は軽く説明をして、様子を見て、ゆっくりと時間をかけて、話し合っていくしかなさそうです。家族の場合は、一生の付き合いになりますから、症状の具体的なことを知らない場合は、具体的な症状がわかりやすい、漫画などを渡して読んでもらったというケースもありました。まず、症状を知ってもらうところからスタートして、受け止めてくれるかどうかは、相手の性格や資質によるものが大きいので、すぐには無理だと覚悟しておいた方がいいようです。

「薬を飲んでおけばいいのよ」とか、「治らないんでしょう?」とか、よく言われるようですが、これらの説明も根気よく続ける方がいいようです。これらの具体的なマニュアルがあったらいいのにと、思います。とにかく、大人の発達障害のための、具体的なマニュアルが、まだまだ不足しているような気がします。


怒られているのにへらへら笑う理由

 発達障害の人はトラブルだらけなので、「また、やったの?」と怒られ続けます。それなのに、子供のにように、へらへら笑っている、困ってないみたいだ、相手が嫌がっているのがわからないだろうか? 飽きて、どこかに行って聞いてない。などの書き込みが見られます。

 それに対して、発達障碍者の人は「最初だけ聞いてます。すぐに飽きます。相手に悪いと思ってないから」と書いてあり、これでは、気持ちがすれちがうとおもいました。理由は、悪いとは思っても、「いい加減、早く怒るのやめてよ。反省してるし」と思っているので、それで、言いと流しているようですが、実際には、同じことを繰り返すので、
「どこが反省しているの?」となります。

 これらを繰り返す理由は、怒られていることの意味が分からない。実際に困ってないから、誰かがやってくれる、自分が困ることになっても、そんなの知らない。こんな感じの状態で、そして、「周辺者」は、自分も周りも困るから、責任感もあり、怒っています。この感覚の違いから、何度も怒られるということになり、全然反省していない、またやったのかと怒り出す「周辺者」と怒られるのに飽きてしまう「当事者」の関係は悪化してしまいます。そして、いざ、大変になって、大慌てになり、パニックを起こし、「あれがない」「どうしよう?」「大変なのに!!!」とわめきちらす、「当事者」を見て、「周辺者」は、「だから言ったのに!!」となります。そして、「助けて」とわめき散らしますが、「周辺者」が助けるのは最初だけになり、ずっと助けるのは、というか助けないと仕事が回っていかない同僚や、家族、同じグループの人になり、「また、なのか」と嫌気がさします。だから、インターネットなどで書き込まれて、「同僚に困っています」「お友達なのですが、何かと助けてもらいたがるのですが」とか、「家族がいつまで言っても、携帯を失くし続けます」「いくら注意しても、治りません」となり、よい状態にはなりません。


 発達障碍者の症状がひどい人、へらへら笑ってごまかす人だと、さすがに周りも「助けるのは最小限にしよう」となり、やがて、逃げ始めます。ところが、「当事者」のほうだけ、わかっておらず、困った状態になったときだけ「大変だ!!!」と騒ぎ続けます。

 これらを解消するには、説明は短く。怒っている理由の説明を軽くしておいてから、「次から、こうして」と提案する。という方法を取るしかないようですが、ほとんどの人は、発達障害だと発覚した時点で、相当、愛想をつかしていたりするケースも多く、よって、そんな心境になるわけもなく、「ほかの人に助けを求めたほうがいいかもしれない」という状態になっています。

 発達障碍者は望んで、その脳で生まれたわけではありません。これらの状態を解消するには、幼いころに見つけられなかったグレーゾーンの受け皿を増やしてほしいと思います。現在、障害なのかのグレーゾーンの人で、大人になってしまっている人に対して、問題がたくさんでたあとは、「悪気がないのだから」と割り切るしかないという本ばかりですが、そんなに簡単に割り切れることはないようです。なかなか難しいようです。

メモすら取れない

 ADHDとASDの症状の中に、重い状態で、メモが書けないという人がいます。一つの指示までしか、覚えておけない。このレベルだと、さすがに、日常ですぐにわかりそうなものですが、本人が自覚がなくて、ごまかすのだけが得意。なんて、書き込みをチラホラ見て、もう、ここまでの人だと、かかわれないなと読んでいて思いました。

 この場合は、メモは首からぶら下げる。メモとボールペンをセットでくっつける。そして、一つのメモに、一つだけ書く。という方法を取るしかないそうです。メモを失くすから。そして、覚えておけないから。

 ここまで来るとボイスレコーダーを常備しておいてほしいと感じました。ボイスレコーダーに録音したものが、用件ごとに録音されて、一つ一つがメモ状態になる。録音したものが別の場所に置いてあるデジタルカレンダーみたいなものに自動で書き込まれて、判別処理してもらえる。というところまで進化した録音機械が出たら、発達障害の人に、売れるような気がします。音声認識システムは、デジタル家電にたくさん搭載されるようになってきたので、そんなときも来るかもしれません。

 でも、そんな夢のような機械もADHDの人だと使いこなせないという人も多いらしく、あくまで夢のような商品でしかないので、できるだけ本人ができるような方法を、周りの人に相談しながら考えるしかなさそうです。

記入漏れ、聞き逃し、飛ばし読み

 ADHDの人の一部に、記入漏れが多い。聞き逃したことが多い。飛ばして聞いている。飛ばして読んでいる。という症状の人がいるようです。全員ではないようで、そういうのはないですという人もいます。得意科目は100点。国語だけひどい。なんて言う人の場合は、その可能性があるようです。どれが原因かは、近くの信頼できる人と一つ一つ、考えてみるのがいいかもしれません。それらの方法は、子供用の発達障害の、症状に合わせたトラブル回避方法に載っています。ソーシャルスキルトレーニングの本は大人向けも多いので、子供向けの本を読んだ方がいいかもしれません。

はみ出して字を書く。書類を書くとき、場所を間違えていた。何度かいても、住所欄に、違うことを書いている。なんて人の場合は要注意だそうです。飛ばし読みということは、普段の会話も飛ばし聞きをしている可能性も多いので、会話で意思の疎通なんて離れないため、メモを渡すしかありません。最小限のことを決めるだけにしたほうが安全のようです。

ある程度のことは、訓練をしてみて、どうしても直らない場合は、難しいようです。音読を繰り返す、飛ばし読みをしないように定規を当てて、書類を書くなどの方法を取るといいそうです。定規がなければ、その場にある紙などを裏返して当てて、一行ずつずらして書く方法を取ってみるというのも、本に紹介されていました。後は、薄い色付きの下敷きで、一行だけカッターナイフで切り取ったものを持ち歩くというのもあるようです。なかったら、不透明な色付きのクリアファイルを、自分でカッターで切って、手作りしてもいいかもしれません。

精神科で診断をもらうと不利がある

 精神科に行ってください。なんて、簡単には考えられない理由の一つに、デメリットがたくさんある。というのがあります。デメリットは、数え上げたら限がありません。会社や社会的になんて思われるか、ローンも組めない、生命保険にも入れない、お金もかかる。時間も取られる。いくらでも出てきます。家族がいたら、その家族の就職先や恋人、友達、親戚づきあい、子供の結婚に支障が出る。たくさんの問題があるため、
「病院には行っていません」という人もたくさんいます。

 ものすごいまでの症状の人の場合は、そして、生活もままならない状態の人は、行かざるを得ません。投薬が必要なぐらい、抑うつが強すぎるとか、衝動性が強すぎて、イライラが強すぎて、など、必要性はたくさんあります。先生に指導してもらって、自分の状態に合わせた環境や心の作る相談をしたいと思っても、デメリットがたくさんあることは知っておかないといけません。そういうこともしっかり把握したうえで、家族とよく相談して、病院に行くかどうか、通い続けるかどうかを考えないといけません。発達障害だと一度でも、診断が出てしまったら、一生、それが付きまとうことも覚悟しないといけません。

 軽い症状の人は、まず、病院に行ってないという人も多い理由は、そこに原因があります。欧米では、むしろ、「積極的に、その障害に向き合わないなんて、なんて、無責任な人間だ」という感覚で、すぐにカウンセラーや、精神科医に行くようですが、日本では、その感覚になることは、まだまだ先かもしれません。

もう一回言って、聞いてなかった

「聞いてなかった」「覚えてない」「忘れていた」という言葉を言うADHDの人は多いそうです。そして、それをそのままにしてしまう。「あとでやろうと思って」と言って、さらに追及すると「忘れてた」という状態。これを繰り返し続けます。これが、友人関係なら、「しょうがないな」程度で済みますが、仕事や家庭、大事な会合などでは、そうもいきません。「また、ですか?」となり、「あの人は信用できない」となってしまう。ところが、当事者の中で、怒られても、「なんで、怒ってるのよ。いつまでも、うるさいな」という人が当事者にいます。さらに「ほかの人がカバーしてくれるから、いいや」という人もいます.この状態が同僚や家族、グループメンバーにいたら、大変になります。一人の人がそれをすると、ほかの人は、困るからです。

 さらに、ここにほかの発達障害の合併症が加わると、さらに大変になります。LD、ASDなどだと、もう、「何が、原因?」となって、大変になります。この場合、お手上げになりますが、本人は困っていない人も多く、「ほかの人にやってもらえばいい」「なんで、怒るのよ」と言って、進みません。「そのままでも構わない」「別に、ほかの人がカバーすればいい」と思っている部分をどうするかは、大人の発達障害の本では、解決しません。本人がやる気にならないからです。子供用の本を参考にするしかなさそうですが、子供がこれらの療育を受けて、落ち着くのが、「高校生になって、やっと、落ち着いてきました」というのが多いそうです。理由は、自分の状態に納得できず、反抗的な気持ちが出てきて、状態を受け止める心はそんなにすぐには育たないからだそうです。

 大人の発達障害で、落ち着くまで、「2年かかって、やっと、少し落ち着いてきました」というのも多いようです。これは順調にいった場合です。まず、「主人が子供の発達障害を認めません。主人にも症状が出ている気がするのですが」というケースも多く、これだと、障害を受け止めるまでに時間がかかります。受け止めても、葛藤するし、順調には進まず、「ロボットみたいに、先生とやり取りしているのを見ていると、もう無理だと感じました」というお手上げ状態の人もいるようです。個人差がありすぎて、なかなか難しいようです。

「もう一回、言って」と言ってくれる人もかなり時間がかかるし、「いいじゃない、これぐらい」という人だと、なかなか難しいようです。

発達障碍者が決められない場合は?

 発達障碍者には、どうしてもできないことがたくさんあります。周りの人はサポーターでしかなく、お仕事や生活で問題が出たら、環境づくりはできます。どうすればよくなるかの提案はできます。でも、それらを取り組むのも決断するのも発達障碍者になります。知的障害が伴わないので、社会的な基準は、それになるようです。

 ところが、それらを決められない発達障碍者もいるようです。迷いやすい。どうしても、理解できない、判断できない、その場合は、「周辺者」はどうするべきか。迷います。結局、その人たちが自分たちで、迷いながらも決断していて、フォローし続け、代わりに謝る場合も多いようです。配偶者や友達、親がそれだと、周りの状況と比べて、「なぜ、私が代わりにやっていたり、謝っていたりするのだろうか?」となっていきます。世話好きで、そこに違和感を感じなくて、時間もある人ならいいでしょうが、そういう人はめったにいないために、やがて、疲れ始めます。

「無理はしないでください」「あなたにも手助けする人がいるのです」と書かれている資料が多いです。サポーターをする「周辺者」も疲れ切るのが、発達障害の特徴です。理由は、よくならないことも多いから。成長してくれる、覚えてくれる発達障碍者ばかりじゃありません。覚悟がないと、自覚がないと、そもそも取り組まないようです。自覚してからも、症状を理解しようと調べ始める人のほうが少ないらしく、とりあえず読んでは中断をして、不安になりを繰り返して、何とか気持ちを立て直しながらも症状を知り、自分を知ろうとするもがく発達障碍者と「あの人がおかしいの。私は被害者よ」と言い張る発達障碍者と分かれるらしいです。被害者ぶるケースは「逃げてください」という指導をされたというのがあちこちのブログで書かれてしました。精神科医の先生も、さすがに「僕でも、お手上げですね」と言われたというケースもたくさんあったようです。自覚しているかどうか、ここをまず見てから考えます。そして、環境づくりをして、それでも、発達障碍者がいつまでも決められなかったら? 待つしかなさそうです。永久に待つことになるかもしれないケースも多いようです。

葛藤が強い発言はスルー

 インターネットで、書き込みなどを読むときに、「この人、なんで、こんなことを書くの?」というのをよく見かけます。ASD、ADHDの「当事者」側からも、そして、その周辺にいる「周辺者」側からも、両方の意見が書かれてします。
「なんで、そんなひどいことを言うの?」「なんで、トラブルばかりやるの?」
「なんで、発達障害なのに、そこまで責めるの?」「いいじゃない、それぐらい」というものが多いですが、この書き込みの多くが、まだ、自分がどうしたらいいのか、障害の症状をどう受け止めたらいいのか、発達障害だと知って、もがいている状態のものか、発達障害だとわかっても、実際に対応しても、うまくいかないための葛藤状態のものが多いです。両方とも、心のやりきれなさ、「なぜ、自分がこんな目に合うの? すぐ近くにいる、定型発達同士のやり取りだと、あんなにうまくいっているのに。私も、あっちのほうがいい」というやっかみのような、書いてもしょうがないと本人もわかっていると思いますが、書かないといられないような、そんな心の叫びと悲しみとやりきれなさがたくさん詰まった書き込みも多くみられます。
 この状態から抜け出た人は、自分も通った道ですから、わかるので「スルー」できます。この状態の時に、何か、声をかけるというのも、難しい状態です。「だったら、あなたも同じ立場になってみなさいよ。だって、こんなに苦しいのよ」という気持ちの状態では、声はかけづらいです。苦しみの中にいるとき、葛藤が強い時、先が見えない時、どうやっても、対応が難しくて、時間でも解決しないとき、医者も薬も難しいと感じるとき、そんなときに、「なんで、私ばかりが、こんなつらい目に遭うの!!」という心の状態になってしまっていて、ここまで来ていると、精神科医、臨床心理士などの「専門家」のカウンセリングのほうが、いいのかもしれないと、いつも思いますが、なかなか、そこまで行って、話をする気力もないし、お金もかかりますし、勇気も要ります。

 葛藤状態の時は、色々な情報は見ないほうがいいですよ。というのが「専門家」の多くの意見で見られました。この時期、不安が強いので、「でも、なんとかしないと」という気持ちが強くなり、つい、情報を調べたり、同じような立場の人の意見を知りたくなりますが、それも、できれば避けたほうがいいらしいです。

 葛藤状態の時は、書いている人も気持ちがつらいのだからと考え、スルーしたほうがいいようです。ただし、発達障害の当事者は、スルーするということはわからない人が多いようなので、そういう人の発言もスルーして読むほうがいいようです。

「なんで?」と聞かないほうがいい

 発達障害の症状が出ている人に「なんで?」と聞きたくなります。なぜ、どうして? そんなひどいこと、そんな困ったことと聞いても、たいていは「俺は間違ってない」「俺もわからない」「なんでだろうね?」という答えが返ってくることが多いようです。性格なのか、性質なのかはわかりませんが、「なんで?」と聞いても、難しく、症状を知れば知るほど、泥沼の心のままの状態になってしまうので、「いったん切る」というものすごい覚悟が、いるそうです。そこからじゃないと、前に進めない。
 ところが、ここのいったん切る作業に対する工夫が、本だとたった一行で「相手を責めていても進みません」だけなのです。実際は、この切り替えの作業に苦労している人ばかり。精神科医や行政の相談員などに相談しても、どこまで行っても距離感があります。なぜなら、実際の現場で困っていないので、どこか他人事で、相手も自分の範囲でしか答えてもらえません。それで、同じ立場の人と共感しあう作業が自助会になり、慰めあって、自尊心を取り戻し、自分だけじゃないと思い、というだけでも、やはり、やりきれなくなる。それが、発達障碍者と、その周りの人の気持ちです。

 この切り替え作業をしていくのは、どこまでも自分であり、そうなると、「いったん切る」「相手に期待しない」なんて言うのは言葉では簡単ですが、気持ちの問題です。相手が浮気を繰り返すことを最初からしていたら、「この人、浮気をする人だけど、憎めないし、いいや」と割り切れますが、発達障害の場合は共同作業が増えて、「もしかして?」が繰り返されて、トラブルだらけでも、そして、取り返しのつかないことも起きて、そこで「発達障害と言われても」とあきらめきれないというか、やっぱり「なんで?」と言いたくなります。たくさんトラブルがあったり、嫌なことがあった後の、「いったん切る」は性格によりますが、そんなにすぐには難しく、そして、発達障碍の症状がある人が、ずっと近くにいる状態が続けば、トラブルも続いていて、それでさらに「なんで?」とつい思います。これを断ち切るのは、やはり、あきらめ。「この人は、悪気がないけど、私は付き合いきれないな」という状態からの、さらにあきらめ。「この人から、精神的に距離を取るぞ!!」という覚悟が必要になりますが、この心境まで行くまでが、私は「悟り」と思っています。修行じゃないんだからとは、思いますが、悟りを開いていくしかないんでしょうね。あるがままを受け止めて、そして、自分の中の心の安定の場所を探る。

 何もかも明らかにしたうえで、「私はこうしたい」という気持ちになり、「なんで?」と言ってもしょうがないと思うようになり、その作業は、自分で作っていくしかなさそうです。

 これらの心境になれるために必要なのは、自助会以外なら、カサンドラから回復しましたよという本、ブログ、体験談などを読んで、自分に合った方法を見つけていくのがいいのかもしれません。

成績表的なものは必要なのかも

 学校の成績で、数学、英語、地理など、成績が出ます。それで理解力が測れますが、ASD、ADHDの場合は、自分の状態に合った理解力の成績は、漠然としたものしか把握できていません。知能指数と動作性を図る検査はありますが、脳の働きと動きを見るもので、より具体的な、部屋は散らかさないけれど、車にキーとじ込みの常連です。みたいなものでは、ほかの人はわからない。先生や上司、同僚、家族、クラスメイト、友達みたいな関係で、そこまで必要じゃない人もいますが、必要じゃないかと思うケースも多い気がします。「できないのにやってくれと言われても」という書き込みがとても多く感じます。そのためにも、嫌かもしれませんが、やはり、目安の行動基準表があったほうがいいのかもしれません。診断が出ており、発達障害者の支援を行政の人がやってもらえるのであれば、その人と作れますが、それ以外の人は自力になります。自分で作るしかないのかもしれません。

 会話による意思の疎通 3
 日程通り動ける    2
 遅刻が多い      0
 金銭管理ができない  4

みたいな行動指標があったほうが、周りの人もそれに合わせて動けます。でも、こういうのがはっきりわかると、それはそれで、発達障害の「当事者」は落ち込みやすいし、割り切れる人しか難しいかもしれません。そして、はっきりわかってしまうと、周りの人も「こいつ、できないんだ」という上から目線的な指導をする人も出てくるかもしれないので、とても、難しい問題だと思います。でも、それらが欲しいと思っている人が、そういうものを作れるようなサイトがあったら、家族や、上司などに、必要な部分だけお願いしやすいし、行動もわかりやすくなるのではないかと思いました。ただし、自己申告になるので、あくまで目安にしかなりません。自分で思っている行動と、周りが感じている行動に開きがあるのが発達障害の症状の一つになるので、だれが、基準を作るかによって、開きも出てきます。

 あくまで、目安ですが、そういう行動指標みたいな見本が作れるサイトがあったらいいのにと思いました。

お願いの仕方

 発達障碍者が、「やってほしい」と周りに頼むときの頼み方が、わかってない書き込みを多数見かけます。定型発達だと、そこで「こうやって言ったほうが、相手も受けてもらえる」という気配りができますが、発達障碍者は、自分流でやりたがります。これを埋めるためには、ソーシャルスキルトレーニングの本で具体的に書かれているものを読んで、参考にしたほうがいいのですが、これができるのは、症状が軽い人じゃないと難しいと言われているようです。症状が重い方は、たくさんの理由で、できないことも多いようです。そのできない理由の説明と、周りへの頼み方、どの程度まで頼めるか、これを埋めることができるのは、ジョブコーチ的な補佐が必要だと、書き込みを見て、いつも思っていました。お仕事でサポーター制度ができるという話もあるようですが、まだまだ、先の話だし、導入されてから、ノウハウが検討されると思うので、それが導入されても、仕事の現場に、浸透されるまでは、かなりかかるような気がします。

 実際のお仕事の現場の人は、忙しいので、たとえ、部下や同僚がASD、ADHDだとしても、細かい症状まで勉強してくれる上司は稀のようです。一般社会では、そこを過剰要求されても、上司も、先生も、戸惑うばかりです。「私は発達障碍者だから配慮してください」と言われても、「なにを?」「どうやって?」と思ってしまいます。一般社会では、上司や先生に、合わせろということは要求せず、「ここがこういう感じなので、こういう指導をお願いします」「こうやって配慮してもらえると助かります」より具体的な提案をしないと、なかなか動いてくれません。相手も忙しいからです。かかわっている人は大勢いるために、その中の一人のために多くの時間を割いてくれることは、ほとんどありません。例え、発達障害でも、自分のほうから、提案の仕方を覚えていかないといけないようです。でも、症状から、それができないというので、トラブルが起きやすいようです。

 こういう場合のマニュアルがあったらいいのではないかと、いつも感じます。学校に通われている生徒さんの親に対して、「先生に、こうやって提案してみてください」みたいな、提案表の見本があったり、自分の状態のマニュアルが作れたり、そういうのが学校の中で、できたら、とてもいいのではないかと感じました。日本ではスクールカウンセラー制度は、ないので、そういう部分のケアが行われる学校も稀にあるようですが、ほとんどはないので、自分で考えていかないといけなくなります。

 これらの具体的な、マニュアル作成や、指導書があったら、いいのにといつも思います。具体的なお願いの仕方のマニュアル、指導書、先生や上司への提案書の書き方などが載っている本ができたら、いいと思います。学校、お仕事の現場に、臨時の障碍者相談所が、年に一回でも開かれたら、助かる人が大勢いるような気がします。

被害妄想?

 時々見かける書き込み。「ひどすぎます」と発達障碍者が訴えている内容を読んで、「あれ?」と思います。思い込みと、認知のずれによる被害妄想というか、感覚の違いというか、その部分の説明をしようにも、発達障碍者と定型発達者の感じ方の違いを、発達障碍者の人が、知っていないと説明はできないので、多分、その違いをまだ、勉強されていないのではないかと思います。

 発達障碍者でも、ものすごく悩み、症状理解をし続けて、努力し続けて、穏やかになっている人もいます。そういう人はブログを書いて、冷静に自分が「この時は、こう考えていた」「こんな思い違いをしていた。定型の人はこう捉えていた」と客観的に分析ができています。定型のほうも、色々な事例を見て、発達障碍者の感覚の違いを勉強していくしかないようです。


 定型発達の人が障害の理解をする場合に、子供の症状を見て、子供の親が書いてある症状を見て、大人になって、それがどの程度減っているのかを見て考えるのも一つの方法らしいです。大人になっても、症状の改善がされなかった人もいるらしく、ADHDの児童で、症状が和らぐかどうかは、環境が大きいようです。ご本人の性質と、教えてくれる人の数、その子に合った指導をしてもらえるかどうか、は大きいようです。残念ながら、小さいころに、その機会に恵まれなかった人の場合は、症状を知って、それらを理解して、落ち着くまで、ものすごく時間がかかる人もいるそうです。症状を受け入れるのに一年。症状を勉強して、自分の限界を知るのに、一年。そして、対応方法を学んで、練習していく。そこまで、相当、かかるのを覚悟したほうがいいようです。

 でも、これらの作業は一切しないで、「私は発達障害だけれど、なんで、周りは私の症状に合わせてくれないのよ!!」と書かれているのがあり、これだと難しいかと思いました。周りが合わせるというのを期待するのはいいと思うのですが、相手にも時間があるので、そこをわからない人も多いようなので、そういう人が被害を受けたと書いている内容は、意外と過剰要求だったりして、「そこまで要求されても、難しいのでは?」と時々思います。でも、この過剰要求してしまうのも認知のゆがみによる症状らしく、それを埋めるのも、やはり、自覚してから、自分の症状と、定型の人がどう感じるのか、影響も勉強して行くしか、しょうがないように思います。その状態にすることは、周りから働きかけることは難しく、なので、やはり、発達障害の「当事者」の人が、何度も注意されて、自分で気づいていくしかしょうがないかと思いました。

確認たっぷり、ただし自覚している場合のみ

 発達障害者の中には、確認しあわないと、トラブルだらけになる人も多いようです。意思の疎通が、そもそも難しすぎるASDや、聞いてない、覚えきれない、忘れてしまいやすいADHD。どちらも、悪気はないのですが、だからと言って、そばにいる人が、何もかもフォローしていたら、時間がいくらあっても足りません。自分のこともしないといけないのに、フォローすると、3倍手間がかかり、却って、自分がやったほうが早いからと、二倍の仕事をこなしていますという人も多いようですし、配偶者で、代わりにやっている人も多いようです。

 でも、何もかもし続けていると大変になります。だから、できるだけ本人にやってもらうという形で育てていくしかないと書かれている本も多いです。実際は、距離を取って無理しないほうがいいという指示を出される「専門家」もいますので、ケースのよって違うようです。

 確認はたっぷりしておかないと、聞いてない前提で話したほうがいいようです。日時、金額や、用意するものなど、絶対に忘れてはいけないものは、メモを書いて渡すぐらいじゃないと無理ですが、ADHDはこのメモを失くすそうです。だから、確認を何度もしないといけないそうです。
 アスペルガーの確認は、お互いの意思の確認です。でも、これが難しい。思い込んでいて、わかってないのに、そのままにしてしまうために、できるだけ共同作業はやめたほうがいいだろうという勧めも書いてあるものもあります。対人スキルが致命的な人から、そうじゃない人までいますが、自覚していることが大前提となるようです。自覚していない人は、そもそも「どこがだめなのか?」のポイントから話さないといけなくなり、膨大な時間が必要となります。大人になってから発達障害だとわかって、自覚を持ってもらい、そして、症状の勉強をしてもらってからの話になります。そこまでは、できるだけ、あまりかかわらないほうが、いいのかもしれませんが、現実は、そうもいっていられないため、結局、「周辺者」が代行しているケースが多いようです。「周辺者」は代行しすぎず、無理をせず、疲れたら、心の距離だけでも取ったほうが安全です。

合併症はややこしい

 ASD、ADHD、LD、解離性障害、チックなど、たくさんのものをいっぺんに症状が出てしまうことがあるそうです。その場合は、やはり、精神科医、心療内科医などの「専門家」に相談したほうが安全で安心です。

 でも、ASD、ADHDの症状がたくさん出ていても、お医者さんに通うほどじゃない、もしくは診断されたけれど、あとは自力で言われてしまったら、自分で調べていくしかありません。

 それで、色々なブログなどを調べてみましたが、たくさんの気になる情報があったので、あくまで、主観で、自分で思った症状のようですが、目安として載せておきます。

・キョロキョロする。
 ADHD・・・興味がコロコロ変わりやすく、飽きっぽいので、情報をたくさん集めたい脳の習性らしい

 ASD・・・視野が狭い人が生まれつきいるそうです。視覚の問題ではなく、脳の反応らしく、一点集中で見てしまうために、気になる音などがしたら、そちらに顔を向けるために、キョロキョロしているように見られる

・お金の管理ができない
 ADHD・・・興味があるものができたら、後先考えない。何とかなるだろうと安易。あまり深く考えないから。ギャンブルに依存して、借金までしても、懲りないという人から、お金の管理はさすがに、小さいころに親に教えてもらいましたという人まで個人差があり。

 ASD・・・お金の概念があまりなく、お金を使って、どうなってしまうのかまで想像できない場合は、月末にお金が足りないなんてケースもあるそうです。ところが個人差が大きく、お金の管理はできますよという書き込みも多数ありました。


・言い張る
 ADHD・・・持論が間違って言おうと引っ込められない。「だって、そうしたいから」で言い張ってしまうことも多いそうです。そのほか、絶対に間違ってないという強い思い込みで、勘違いで言い張ってしまうケースもあるし、相手の話を早合点して、わかってなくて言い張る。物事をあまり深く考えてないし、相手の言葉を聞いてないし、など、理由が多岐にわたるようです

 ASD・・・全体像が見られないからというのが多いようです。自分の側から見た風景だけで、考えてしまうらしく、ちょっとでも、細部が違ったら、怖くなり、現状維持が大好きだそうです。不安が強く、びくびくしてしまうこともあるそうです。だから、言い張ってしまうのが不安の表れの人もいるし、本当に自分が正しいと思い込んでいる人もいるし、さまざまのようです。自覚があるかどうかで、大きく違ってくるようです。

・優先順位
 ADHD・・・ワーキングメモリーの働きによって、個人差があるようです。ちょっとしたことならつけられる人もいますが、それもできない人まで様々な書き込みがありました。でも、自分優先したいという衝動性が強い人の場合は、それが一番最初に優先してしまうようです

 ASD・・・ごちゃごちゃたくさんの条件と項目が並ぶと、「えっと、どれが大切なの?」とわからなくなるそうです。そのため「前のやり方と同じが好き」となり、不安が強く出ない方法を取りたがる人もいるようです。持論を振りかざすケースも多いようです。

・部屋の散らかり
 ADHD・・・かなり散らかります。という人と、ものをほとんど置かないから、散らからないよ。という人まで、たくさんいます。でも、眼鏡、財布、鍵など、よく失くす人と、あまり失くさない人と分かれるようです。不注意優位か、衝動、多動優位によって違うようです。

 ASD・・・場所の配置は覚えており、雑然とした部屋のほうが落ち着くために、わざとそうやっているアスペルガーの人も多いようで、ものが無くなるのが嫌、捨てるのは怖いという人もいるようです。でも、まったく執着心がなくて、ものも買わないし、きちんとした部屋の人もいて、配置もちょっとでも曲がっていると直したくてしょうがない、なんて人もいるようです。個人差があるようです。

・運動
 ADHD・・・運動神経は、問題にならない人が多いようです

 ASD・・・スキップができない、右と左がわからないという人も多いようです。

ページの用語

「当事者」ASD、ADHDの症状がある人
「周辺者」アスペルガー、ADHDの周辺にいる人
「専門家」カウンセラー、精神科医